2010 Fiscal Year Annual Research Report
香粧品に配合する防腐剤から遊離するホルムアルデヒドの挙動と健康リスクに関する研究
Project/Area Number |
22590624
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
梶村 計志 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (40250336)
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Keywords | 香粧品 / 防腐剤 / ホルムアルデヒド / イミダゾリジニルウレア / ジアゾリジニルウレア |
Research Abstract |
ホルムアルデヒド(FA)ドナー型防腐剤から遊離するFAの挙動に関する研究は、国内外でもほとんど行われておらず、当該化合物の速度論的な分解や分析法に関する報告が散見されるのみである。今年度は、我が国および欧米で使用される主なドナー型防腐剤を対象とし、分解等により遊離するFAの挙動について、詳細な検討を行った。 1. 我が国で使用が認められているドナー型防腐剤であるイミダゾリジニルウレア(IU)に関する検討 IUの分解により遊離するFAは、溶解液のpH及び温度に大きく影響された。pHがアルカリ側になるほど遊離するFA含量は著しく増加した。pH6のリン酸緩衝液で調製した0.3%溶液を60℃の水浴中で放置したとき、10分後に溶液中のFA濃度は約140ppmに達した。IUを添加したローション、ジェル、コンディショナーのモデル処方を作製し、25℃の恒温庫中で30日間保存したところ、多くのモデル処方では、遊離FA濃度の経日的な増加が認められた。しかし、尿素が配合されている処方では、2日目以降、遊離FA濃度の減少が確認された。尿素が配合されている市販化粧品にIUを添加した場合も同様の現象が認められた。 2. 欧米での使用頻度が高いドナー型防腐剤であるジアゾリジニルウレア(DU)に関する検討 緩衝液およびモデル化粧品中での、DUの分解挙動並びにFAの遊離について検討を行った。リン酸緩衝液中でのFA遊離はpH依存的であった。pHがアルカリ側になるほど遊離するFA含量は著しく増加した。DUを添加したモデル化粧品(化粧水、ジェル、コンディショナー)を作成し、FA遊離濃度の経時変化を調べたところ、化粧品の種類により遊離するFA濃度が大きく異なった。
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Research Products
(5 results)