2011 Fiscal Year Annual Research Report
SNPタイピングのための簡便な蛍光APLP法によるDNA鑑定法の確立
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22590627
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
梅津 和夫 山形大学, 医学部, 准教授 (10091828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 勲 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00093633)
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Keywords | DNA鑑定 / APLP法 / SNP / 電気泳動 / 個人識別 / 総合同値確率 |
Research Abstract |
科学捜査におけるDNA鑑定はSTR(Short Tandem Repeat)を主に利用しているが、この方法は高コストに加えて高度の変性DNAの場合の再現性はよくないという欠点を有する。これに対してSNP(Single Nucleotide Polymorphism)は変性DNAにもより適するが、STR検査に比し個々の個人識別能力は低く、判定法はより複雑という欠点を有する。しかし、色々なSNP判定法が開発され、一部はすでに市販されているが、まだ現状ではほとんど実用化されていない。そこで今回、我々の開発したAPLP法(Amplified Product-Length Polymorphisman alysis)を多数のSNPの同時判定に応用した。HapMapのデータベースから高度の多型性を示す47個のSNPと性別を加えた48個の遺伝形質は予備実験を通して選択した。これらを4回に分けたPCRと4レーンでの電気泳動での簡便な検出法を確立しつつある。データベースに記されている各集団の遺伝子頻度から個人識別における総合同値確率を求めたところ、アフリカ、ヨーロッパ、中国、日本のいずれの集団においても10のマイナス20乗レベルの個人識別には充分な値を示した。理論的にはこのシステムにおいて、今回用いている145個のプライマーをワンチューブにいれて共通プライマーに4色の蛍光プライマーをラベルすれば、一度のPCRと一度のシークエンサーによる自動判定が可能となるが、プライマー間での非特異的なバンドの出現などの問題点が生じ、蛍光ラベルは実用的な方法ではないと判断した。本システムをキット化する際の問題点を整理し、満足な結果が得られるまで修正・訂正を繰り返し、本法の完成を目指す。 糟
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
47個のSNPと性別の判定をおこなう簡便なシステムを確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
APLP法によるより確実な判定法を確立すると共に従来法との比較検討を行ない、長所と短所を見極める。また高度な分解DNAの対応度を評価する。
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