2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳外傷の病変発生・拡大におけるコネクシン・カルパインの関与に関する研究
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22590628
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
原田 一樹 防衛医科大学校, 医学教育部・医学科専門課程, 准教授 (00253146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40166947)
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Keywords | 医療・福祉 / 脳・神経 / 病理学 |
Research Abstract |
ラット後頭葉の視神経野に限局性外傷を作成し、経時的にサンプルを採取した。抗connexin(Cx)-36,43抗体を用いた免疫組織化学により、損傷部とその周辺、健常部のneuron、astrocyte、microglia、oligodendroglia自体、及び各細胞間に発現し変化しているCx種の同定を試みた。その結果、外傷後にCx43が活性化し、損傷部に集まったGFAP陽性astrocyte、及びCD11b陽性microgliaに発現していることを見出した。一方、neuronにはCx36が発現しており、外傷後に増えていた。Gap Junction(GJ)及びHemichannel(HC)の活性を評価するために、Ethidium bromideを損傷部に滴下したところ、活性化したastrocyteとmicrogliaのEthidium bromide取込みが増し、Cx43と共存していることが分かった。この結果より、astrocyte,microgliaのCx43構成HCが活性化されていることが示された。 活性化型μ-calpainを認識する抗体を用いた免疫組織化学により、neuronに局在する活性化型μ-calpainが、外傷部から周辺に進展していることを見出した。GJ阻害剤であるcarbenoxolone,Cx43-based HC阻害ペプチドGap26等が、GFAP陽性astrocyte及び活性化型μ-calpain陽性neuronの損傷部から周辺への進展を抑制していた。加えて、神経細胞死の指標であるMAP2免疫染色の低下、及びPropidium Iodide(PI)のneuronへの取込み、μ-calpain活性化に伴うwestern blot上のfodrin分解も、これらの阻害剤で抑制された。 以上のことから、脳外傷が、astrocyte(恐らくmicroglia)の活性化と、GJまたはHC開口を通じて細胞間に有害物質を伝播させ、神経細胞のμ-calpainが活性化される結果、細胞死が誘導されることを見出した。この研究によって、外傷による神経細胞死に、microglia,astrocyte間のCx-based HC,GJを通じた、物質の伝播が寄与していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、論文の執筆に必要なデータを揃えることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
外傷後、astrocyte,microgliaのHemichannelを通して、伝播し、neuronのcalpain活性化や細胞死に寄与している物質を同定する。また、calpain活性化を抑制すると、外傷の伝播を抑制できるかについて、阻害剤等によって明らかにする。余裕があれば、症例の脳挫傷において、免疫組織法によって、実験結果を検証する。
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Research Products
(1 results)