2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590630
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
島田 一郎 福井大学, 医学部, 准教授 (20272908)
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Keywords | 瀰慢性肺胞傷害 / 高濃度酸素曝露 / 低酸素濃度曝露 / c-Myc / 肺サーファクタント蛋白 / リゾチーム / インターロイキン6 / アポトーシス |
Research Abstract |
【緒言】 人工呼吸器管理に於いては、高濃度酸素の持続曝露に伴う酸素中毒の結果として、瀰漫性肺胞傷害(Diffuse alveolar damage ; DAD)から肺線維症へ進展する場合がある。本研究では、この病態を解明する第一段階として、マウスを75%酸素濃度曝露下で9日間飼育し、摘出した肺に関して、mRNA発現などの変化を検討した。 【材料と方法】 マウス(8週齢、雄、C57BL/6J)を、対照群(5匹)および75%酸素濃度曝露群(5匹、75%の酸素濃度状態で9日間飼育)の二群に分け、cDNA microarray解析(3D-Genes Mouse 24, Toray Industries, Inc.)などにより比較検討した。 【結果および考按】 75%の酸素濃度状態で9日間飼育したところ、死亡する個体も出始めた。 100%酸素濃度曝露でのmRNA発現結果(Int J Legal Med 2008 ; 122 : 1373-83)と同様に、c-Myc (NM_010849)、Galectin-3 (Lgals3 : NM_010705)、connective tissue growth factor (Ctgf : NM_010217)、Cystein rich protein 61 (Cyr61 : NM_010516)は誘導され、一方、surfactant-associated proteinc (Sftpc : NM_011359)、CytochromeP450,2f2(Cyp2f2 : NM_007817)、lysozyme(Lyzs:NM-0173720)の発現は抑制されていた。これらは、器質化過程の進展、肺胞虚脱、生体防禦機構の破綻などを示唆していた。 また、Matrix metalloproteinase 2、13 (Mmp2 : NM_008610、Mmp13 : NM_008607)およびTissue inhibitor of metall oproteinase 1 (Timp1 : NM_011593)の発現誘導は、組織改築の始まりを示唆していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
75%の酸素濃度曝露実に於いて、connective tissue growth factor (Ctgf : NM_010217)およびCystein rich protein 61 (Cyr61 : NM_010516)は誘導されていた。これらは、器質化過程の進展を示唆していた。現在のところ、形態学的には、高濃度酸素の持続曝露に伴う著しい線維化は認めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、高濃度酸素の持続曝露に伴う形態の変化を昨年に引き続き調べる。また、培養細胞なども利用して、高濃度酸素の持続曝露で変化している遺伝子の蛋白発現を重点的に調べる。
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Research Products
(1 results)