2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬毒物錯体混合物のタンデム質量分析によるカラムを使用しない高感度同時分析法
Project/Area Number |
22590631
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
南方 かよ子 浜松医科大学, 医学部, 研究員 (70115509)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 質量分析 / 過塩素酸 / ヨード / 金 / 銅 |
Research Abstract |
1. 甲状腺機能関連陰イオン群(ClO4-, SCN-, I-)の同時定量 ClO4-は金属や鉱物の溶解に使用される。SCN-は野菜から摂取されるが毒物CN-の解毒産物でもある。甲状腺ではClO4-はI-の30倍、SCN-は2倍吸収され易くI-の吸収を妨害する。今までの検出法では2価陽イオンと陰イオン(X-=ClO4-, SCN-, I-) のイオンペアを作り検出していたが、その方法でのMS-MSでは陽イオンの分解物が検出され陰イオンは検出できなかった。我々は陰イオン(X-)が鉄(Fe)フェナントロリン(phen)と錯体[Fe(phen)2X]+を生成することを見出した。錯体検出の最適条件を調べた。その結果、[Fe(phen)2X] +はMS-MSにより[Fe(phen)X]+となり、検出限界が30 nMという高感度で3種類の陰イオンを同時検出し、Forensic Toxicol 30: 156, 2012で報告した。 2. 金、銀,銅の同時定量 金化合物はリュマチの治療薬、銀化合物は殺菌剤として使用され銅レベルは種々の疾患で変動する。金属定量にはICP-MS装置が汎用されており、有機化合物検出に最適なESI-MS-MS装置では高感度定量はできなかった。我々は金(Au)、銀(Ag),銅(Cu)にジエチルジチオカルバメート(DDC)を結合させた錯体検出の最適条件を調べた。その結果、[Au(DDC)2] +, [Ag(DDC)2] +, [Cu(DDC)2] + はMS-MSにより[Au(DDCH)] +, [Ag(DDCH)] +, [Cu(DDCH)] +となり、検出限界が 5pgという高感度で3種類の金属イオンの同時検出が可能となった。また高血圧ラット腎臓中の銅の変動も測定し、Forensic Toxicol 30: 149, 2012で報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)