2010 Fiscal Year Annual Research Report
酩酊による神経性因子および認知機能への影響ーノックアウトマウスによるモデル研究
Project/Area Number |
22590636
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 博之 香川大学, 医学部, 教授 (00284357)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
飴野 清 香川大学, 医学部, 准教授 (50019626)
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Keywords | エタノール / アセトアルデヒド / Eight arm radial maze / Morris water maze / 空間認知 / Aldhノックアウトマウス / ApoE-/-ノックアウトマウス |
Research Abstract |
Aldh2-/-マウスはヒトのaldehyde dehydrogenase2欠損型のモデルとして、ApoE-/-マウスはAlzheimer病のモデルとして用い、エタノール(EtOH)投与量の違いによるAldh2-/-およびApoE-/-マウスによる空間認知への影響を検討した。 材料と方法:Eight arm radialmaze (RAM)およびMorris water maze (MWM)を用い、EtOH(20% w/v)投与量は0.5-2.0g/kg)の3群で行った。 結果と考察:EtOH投与前の空間認知の記憶はAldh2-/-マウス、wild type (WT)マウス、ApoE-/-マウスの順で低下し、遺伝子による影響が示唆された。2.0g/kg EtOH投与では、Aldh2-/-、ApoE-/-およびWTマウスともにエラーやエスケープが増加し、空間認知の記憶に失調がみられた。特に、Aldh2-/-マウスはWTマウスに比較して著明であった。両群の脳内EtOH濃度にほとんど差はなく、Aldh2-/-マウスの脳内アセトアルデヒド(AcH)が高濃度であり、EtOHとAcHの相乗作用と考えられる。1.0g/kg EtOH投与では、Aldh2-/-はRAMでエラーが、WTマウスはMWMでエスケープが増加し、一方、ApoE-/-マウスはRAMあるいはMWMにおいても有意な影響を認めなかった。1.0g/kg EtOH投与では、EtOHによる空間認知の記憶プロセスによる遺伝子の影響が示唆される。一方、0.5g/kg EtOH投与群では、3種のマウス群に有意差を認めなかった。 EtOH投与によるおよびAcHが高濃度では空間認知の記憶には遺伝子の違いが背景にあること、また空間認知のプロセスに対する遺伝子の違いのあることも示唆された。
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