2012 Fiscal Year Annual Research Report
不整脈源性右室心筋症原因遺伝子変異は胸腺リンパ体質の分子モデルか
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22590643
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
西尾 元 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90253260)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 突然死 |
Research Abstract |
法医解剖の現場でしばしば経験される胸腺等の免疫臓器の肥大を伴った若年性突然死例のメカニズムに不整脈源性右室心筋症の原因遺伝子の変異が関与するのではないかとの仮説に基づき、遺伝子変異を導入したモデル動物の表現型の検討をおこなった。モデル動物の作成について、実際の法医剖検症例中に、心筋型リアノジン受容体遺伝子変異を伴った若年者の突然死症例があり、この症例が胸腺等の免疫臓器の肥大を伴っていたことから、この症例に発見された遺伝子変異を導入したモデル動物の作成を試みた。当該モデル動物の作成は、本研究課題採択前となる平成18年頃から作成を試みていたが、ベクターの構築、キメラマウスの作成段階でそれ以降のステップが原因不明で進行せず、本研究計画で予定した表現型の解析時期の遅れの原因となった。ベクターの再構築等数多くの再実験の結果、ようやくモデル動物の作成が完了し、平成24年度中にマウスの維持繁殖、タイピング等の経過をたどり解析を開始した。 臓器重量の検討では、モデル動物のホモマウスでは、胸腺や脾臓といった免疫臓器の重量に対照群と比較して有意な増加が観察された。また、腹腔のリンパ節の肥大も観察された。麻酔下での心電図解析では、ホモマウスでは、心臓刺激薬物投与によって、数種類の心室性不整脈が観察された。心筋型リアノジン受容体遺伝子変異の際に、特徴的とされる両極性の不整脈は観察されなかった。 また、突然死を来すマウスも今のところ観察されていない。当該遺伝子変異モデル動物が心室性不整脈と胸腺等の免疫臓器の肥大をきたすことから、当該遺伝子変異はいわゆる胸腺リンパ体質と呼ばれる免疫臓器肥大をともなった突然死症例のモデルに成りうるのではないかと考えられる。当該遺伝子変異が免疫臓器の肥大等を来す分子メカニズムの解析は今後の大きな課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)