2012 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒剤中毒作用におよぼすストレスの影響 ―ストレス蛋白の関与―
Project/Area Number |
22590644
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
富田 正文 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50113197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70135945)
勝山 博信 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00289175)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 覚せい剤 / 大腿骨密度 / 骨形態計測 / 神経細胞 / c-Fos / ストレス |
Research Abstract |
本年度は1)覚醒剤 (MA) の大腿骨海面骨密度に及ぼす影響を検討したこと,2)MAによる神経細胞の活性化を前初期遺伝子c-Fosタンパクの発現から検討したことについて報告する。いずれも覚せい剤単独の作用である。種々のストレスを検討したが,ストレス自体の作用が非常に強く,MAの影響がマスクされてしまい現段階では満足な結果は得られていない。1)骨密度への影響を,MA 5, 10 mg/kgおよび対照群で比較検討した結果,MA 5群では、①骨形成パラメータ、② 石灰化パラメータでの石灰化速度と骨形成速度、③骨芽細胞数において、MAによる骨形成の有意な亢進が認められたが、骨量や骨密度の増加は観察できなかった。他方,骨吸収パラメータおよび骨吸収マーカβ-C-terminal telopeptide of type I collagen濃度にに有意な差は認められず,MA 5群での骨形成の亢進は、MAによる一次的な作用であると思われた。MA 10群では対照群に比べ顕著な骨形成は観察されなかったが,影響の詳細はさらに検討する余地を残した。2) 覚醒剤20 mg/kg投与後60分における神経細胞の影響をc-Fos陽性反応およびストレスホルモンについて検討した。その結果,線条体,視床室傍核, 視索前野, 外側前視床下部核, 背側野, 外側野などで対照群に比べ有意に高い陽性細胞数が得られた。血中コルチコステロン濃度はMA 投与後60分で有意に高値を示し,120分で対照群レベルに戻ったが,血中ACTHは10分で高値の傾向を示し,その後低下した。また血中CRF濃度には変化が見られなかった。すなわち,覚醒剤によるストレスホルモンと脳特異的領域での神経細胞の活性化に強い関連が認められた。今後,1),2)ともにストレスの方法を模索し,ストレス下でのMAの影響についてさらに検討を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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