2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能画像を用いた内臓感覚の記憶と認知変容過程の研究
Project/Area Number |
22590646
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 理子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20344658)
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Keywords | 内臓感覚 / 脳画像 / 条件付け / 心身相関 / 痛覚ネットワーク |
Research Abstract |
心身医学においては、身体から脳へのシグナル、脳から末梢臓器へのシグナル、およびその相互作用がどのように調整されるのかを追及することが主要な課題である。本研究では、内臓刺激による条件付けおよびその消去課題を用いて、内臓刺激を侵害刺激として認知し、条件づけ反応として獲得され、その後、状況の変化に応じて、獲得された侵害反応を制御していく過程を検討する。すなわち、(1)内臓感覚はどのように脳において条件づけされ、記憶されるか、(2)条件付け反応はどのような形で末梢臓器において表出されるのか、(3)獲得された条件づけ反応は、状況の変化に伴い、どのように強化、あるいは減弱されていくのか、を検討することを目的とする。 平成22年度は、バルーン拡張により誘発した内臓刺激と視覚刺激を組み合わせた条件づけ課題を作成し、条件付け反応が得られるか否かを、末梢の皮膚電気抵抗反応、心拍変動を用いて観察し、数名において脳機能画像を用いて、条件付けの獲得、消去に伴う脳活動を観察した。予備的な解析では、皮膚電気抵抗反応で条件付けに伴う反応が観察され、脳機能画像では、条件付け獲得期初期に両側海馬の活動が、消去期に内側前頭前野の活動が観察された。内臓感覚による条件付け反応が末梢、および中枢神経のレベルで観察できる課題の作成に成功した。
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