2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能画像を用いた内臓感覚の記憶と認知変容過程の研究
Project/Area Number |
22590646
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 理子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20344658)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 内臓痛 / 食道 / 条件付け / ニューロイメージング / ペインマトリックス |
Research Abstract |
心身医学においては、身体から脳へのシグナル、脳から末梢臓器へのシグナル、およびその相互作用がどのように調整されるのかを追及することが主要な課題である。本研究では、内臓刺激による条件付けおよびその消去課題を用いて、内臓刺激を侵害刺激として認 知し、条件づけ反応として獲得され、その後、状況の変化に応じて、獲得された侵害反応を制御していく過程を検討する。すなわち、①内臓感覚はどのように脳において条件づけされ、記憶されるか、②条件付け反応はどのような形で末梢臓器において表出されるのか 、③獲得された条件づけ反応は、状況の変化に伴い、どのように強化、あるいは減弱されていくのか、を検討することを目的とする。 25年度には、予定人数のfMRIおよび構造画像の撮像を終了し、脳画像解析を行った。①について、内臓刺激を条件付けした視覚刺激のみの提示では、条件付けしていない同様の視覚刺激の提示に対し、視床、島皮質、被殻、脳幹、前帯状回、補足運動野、下頭頂小葉、小脳を含む内臓痛ネットワークにおける脳活動が誘発された。②に関して、内臓刺激を条件付けした視覚刺激のみの提示では、条件付けしていない同様の視覚刺激の提示に対し、有意に強い交感神経反応を示した。条件付けの獲得初期に交感神経反応は強く、消去期には減弱し、一定感覚を置いた後の条件付け刺激の再提示による回復期には再度交感神経反応は上昇した。③に関して、条件付けの獲得に際して痛みがない情況で、内臓痛ネットワークが賦活し、消去期には、外側、および内側前頭前野が賦活し、回復期にはさらに海馬が賦活した。内臓痛は脳内で痛みがない状態でも痛みと同様の脳活動として記憶され、その消去には前頭前野の活動が重要であり、以前の内臓痛の記憶には海馬が関わることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)
-
[Journal Article] Psychophysiological responses to pain identify reproducible human clusters2014
Author(s)
Farmer AD, Coen SJ, Kano M, Paine PA, Shwahdi M, Jafari J, Kishor J, Worthen SF, Rossiter HE, Kumari V, Williams SC, Brammer M, Giampietro VP, Droney J, Riley J, Furlong PL, Knowles CH, Lightman SL, Aziz Q.
-
Journal Title
Pain
Volume: 1
Pages: 139-48
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-