2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける和漢薬の血管内皮機能保護作用に関する研究
Project/Area Number |
22590649
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
嶋田 豊 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (80251891)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 和漢薬 / 漢方 / メタボリックシンドローム / 血管内皮機能 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メタボリックシンドロームにおける動脈硬化の初期病変の形成に関与する血管内皮機能障害に対する和漢薬治療の臨床効果を明らかにすることである。そこで、富山大学附属病院和漢診療科外来に通院中の患者のうち、メタボリックシンドロームの診断項目の因子(肥満、脂質異常、血圧高値、高血糖)を1つ以上有し、インフォームドコンセントにより本研究への参加同意が得られた者を対象として、血管内皮機能検査機器 (Reactive Hyperemia Peripheral Arterial Tonometry、RH-PAT)を用いて和漢薬治療の影響を検討することを計画した。方法として、クロスオーバーデザインによる比較臨床試験により、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の院内製剤を1日3丸(6g、分3、毎食後)投与前と投与4週後、及び枝茯苓丸を投与しない4週間の前後で、以下の項目を評価した。①身体所見:体重、腹囲、血圧など。②血管内皮機能検査:RH-PATによるL_RHI。③血液生化学検査:一般生化学検査、細胞接着因子、酸化ストレスのマーカーなど。本年度はデータ集積を終え、統計解析を行った。結果として、すべての検査を行い得た49例において4週間の桂枝茯苓丸投与期間に、L_RHIは有意に増加し、血中の非エステル化脂肪酸(NEFA)、マロンジアルデヒド(MDA)、sVCAM-1は有意に低下した。また、桂枝茯苓丸投与期間におけるL_RHI、NEFA、MDAの変化は、コントロール期間における変化と有意差を認めた。以上より、桂枝茯苓丸は抗酸化作用を介して血管内皮機能障害を改善する作用を有し,動脈硬化進展予防に有用である可能性が示唆された。以上の研究成果を学会及び論文で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)