2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成低下に伴う骨粗鬆症の治療法の開発を目指した骨形成シグナルの解明
Project/Area Number |
22590656
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
杉本 利嗣 島根大学, 医学部, 教授 (00226458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 美香 島根大学, 医学部, 助教 (40379681)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨形成 / 副甲状腺ホルモン / カルシウム感知受容体 / ストロンチウム / 骨形成因子 / Smad3 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
Ca感知受容体(CaSR)をtransfectしたHEK細胞と骨芽細胞株[MC3T3E1(MC)細胞]において、Strontium(Sr)はERKを15minまで時間・濃度依存的に活性化した。SrはMC細胞の増殖能、osteocalcin,BMP-2mRNA発現、石灰化能を有意に促進した。CaSRの特異的阻害剤NPS-2390の添加により増殖能と石灰化能の促進は有意に解除された。以上よりSrは骨芽細胞上のCaSRを介して骨芽細胞活性化と骨形成促進作用を惹起することが明らかとなった。 私共はSmad3が重要な骨形成シグナル分子であり、副甲状腺ホルモン(PTH)の骨形成促進機序にも関与すること、さらにMAPキナーゼのErk1/2を阻害するとSmad3の骨形成促進作用が増強されることを示した。そこで本研究では新規の骨形成促進因子を探索するためMC細胞を用い、Smad3を安定過剰発現した細胞にErk1/2阻害剤のPD98059処置したA群と、空ベクターのみを導入したコントロールのMC細胞(B群)でDNAマイクロアレイ解析を行った。A群で4倍以上発現が亢進した機能未知因子のうち、PTHにより早期処置(1時間)でmRNA発現が増加し、その作用がTGF-βシグナル阻害剤(SB431542)で阻害されないものはTmem119のみであった。骨芽細胞分化と共にTmem119発現が増加し、またMC細胞でPTHはTmem119発現を増加させた。さらにTmem119安定過剰発現により、Runx2,Osteocalcin,ALP発現が促進された。以上より、Tmem119はPTH及びSmad3の下流で働く骨形成因子として重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)