2012 Fiscal Year Annual Research Report
慢性心理ストレス誘発の生体機能異常と骨髄由来ミクログリアの関連検索
Project/Area Number |
22590661
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
安宅 弘司 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30563358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤宮 峯子 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10199359)
永石 歓和 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30544118)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 慢性心理ストレス / 骨髄由来ミクログリア / 視床下部 / 骨髄ニッチ / 脳・骨髄相関 |
Research Abstract |
本研究は、生体のストレス反応(消化管機能異常、摂食障害、不安など)が血行性に動員される骨髄由来ミクログリアと神経細胞との相互作用で起こるというまったく新しいコンセプトに基づき、治療戦略の開発を目的とするものである。本年度の研究結果は以下のとおりである。1)GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞を移植した、キメラマウス(骨髄由来細胞のみGFP陽性細胞)にコミュニケーションボックス装置を用いて5日間連続で心理ストレスを負荷(1時間/日)した結果、室傍核に集積する骨髄由来ミクログリアの近傍にバソプレッシン含有神経が存在している、2)同様の慢性心理ストレス負荷において骨髄由来ミクログリアでmRNAが増加していたIL-1βがタンパクレベルでも増加する、3)この実験系で問題となるGFPキメラマウス作製時の放射線照射による脳・血液関門での透過性亢進でGFP陽性細胞の脳内への移行が起こる可能性を否定するために、頭部を鉛ブロックで保護し放射線照射して作成したGFPキメラマウスに慢性心理ストレス負荷すると、同様に骨髄由来ミクログリアが室傍核に集積する、4)慢性心理ストレスを負荷したラットでは、下部消化管運動が亢進し視床下部におけるバソプレッシンのmRNA発現が亢進する、5)バソプレッシン受容体拮抗剤脳室内投与で慢性心理ストレス誘発の下部消化管運動亢進が正常化する、6)六君子湯投与は、慢性心理ストレス誘発下部消化管運動亢進が正常化するとともに、骨髄由来ミクログリア集積の室傍核への集積が抑制されること、を発見した。以上の結果から、ストレス→脳→骨髄→骨髄由来ミクログリア→脳という、慢性心理ストレスにおける「脳・骨髄相関」は、生体のストレス反応にも関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)