2012 Fiscal Year Annual Research Report
緑葉野菜に含まれる硝酸塩の摂取による虚血性脳障害予防に関する基礎的研究
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22590663
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
岡崎 真理 城西大学, 薬学部, 准教授 (50272901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 広和 城西大学, 薬学部, 助手 (80582238)
岩田 直洋 城西大学, 薬学部, 助手 (50552759)
神内 伸也 城西大学, 薬学部, 助教 (80433647)
日比野 康英 城西大学, 薬学部, 教授 (10189805)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 亜硝酸塩 / 虚血性脳障害 / 一酸化窒素 / 嚥下障害 / 線条体 / ドパミン / 慢性脳低灌流 / ラット |
Research Abstract |
脳梗塞患者には,後遺症として嚥下障害が高い割合で生じ,これに伴うQOLの低下や誤嚥性肺炎の発症が問題となっている。近年,亜硝酸塩が虚血性組織障害を軽減させる可能性が示されているが,脳虚血後の嚥下障害に対する効果は明らかではない。平成24年度は,両側総頸動脈永久結紮(2VO)処置により作製した嚥下障害モデルラットを用い,亜硝酸塩,硝酸塩,硝酸塩とビタミンCの混合経口摂取による脳保護効果および嚥下反射機能の改善効果について検討した。 2VOラットでは,刺激液(水,クエン酸,カプサイシン水溶液)に対する嚥下反射の低下が認められた。一方,亜硝酸塩を摂取させたラットでは,2VO直後およびその後の脳血流量の回復が経時的に促進される傾向が認められ,嚥下反射機能の低下が抑制された。硝酸塩,硝酸塩とビタミンCの混合摂取では,有意な効果は認められなかった。2VOラットの線条体では,虚血による細胞死やTH発現およびドパミン含量の低下が認められたが,亜硝酸塩摂取群ではこれらが抑制された。また,亜硝酸塩摂取群の線条体組織中の亜硝酸塩含量は,対照群と比較し約2倍であった。以上の結果より,亜硝酸塩の摂取により,ラットの脳組織中に亜硝酸塩が蓄積し,虚血時に効果的にNOが供給されることによって虚血障害が軽減されることが示唆された。嚥下反射や咳反射に重要な伝達物質であるサブスタンスPの合成は,黒質-線条体系において生合成されるドパミンにより促進されることが報告されている。2VOラットでは,脳虚血により黒質-線条体系ニューロンが障害され,ドパミン産生が減少し,サブスタンスPによる反射シグナルが低下し,嚥下障害が生じたと考えられる。亜硝酸塩は,2VO処置によるTH発現量とドパミン含量の低下を共に抑制したことから,黒質-線条体系の障害を軽減することによって嚥下反射機能を維持したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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