2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う血管病変に対するアミノ酸トランスポーター標的療法の探索研究
Project/Area Number |
22590665
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
神崎 恒一 杏林大学, 医学部, 教授 (80272540)
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Keywords | LAT1 / 細胞周期 / 頸動脈 / 内膜肥厚 |
Research Abstract |
1.ラット培養血管平滑筋細胞(RASMC)の増殖に対するLATの関与に関する検討:RASMCの培地にBCHを添加すると細胞増殖が抑制されることをこれまで示したが、その機序を明らかにするため、細胞周期に対するBCHの影響をFACS解析で検討した。その結果、S期の細胞数の割合は血清0.1%で0.3%、血清5%で6.9%、血清5%+BCH20mmol/Lで0.3%であり、S期の増殖期に移行する細胞の割合がBCH存在下(LAT1の抑制下)で顕著に抑制されることが明らかとなった。 2.ラットの頸動脈におけるバルーン傷害後LAT1発現亢進に関する検討:ラットの頸動脈をバルーンで傷害することにより発現するLAT1蛋白をWestern blotで検討した結果、障害7日後~14日後に最大となることを確認した。このことから、遺伝子レベル(傷害7日後で最大)だけでなく蛋白レベルでもLATIの発現が亢進することを明らかにした、 3.血管障害後内膜肥厚に対するLATIの影響に関する(LAT1欠損マウスを用いた)検討:11~14週齢のオスLATIヘテロ欠損マウス(10匹)び)大腿動脈にワイヤー障害を施すことによって内膜肥厚を誘発し、処置28日後saerificeし、血管内膜肥厚状態を対照マウス(C57BL/6,9匹)と比較した。現在までの定量的結果、ヘテロ欠損マウスと対照マウスの内膜・中膜肥厚比は各1.6±0.7、1.9±0.7であり、統計的有意差は認められないものの、LAT1ヘテロ欠損マウスで内膜肥厚が小さい傾向が認められた、今後、ポリエチレンカフ被覆についても検討を加える予定である。 4.その他:ApoExLAT1ダブル欠損マウスは現在交配中、大脳皮質下慢性虚血病変マウスはモデルを作成中である。
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