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2011 Fiscal Year Annual Research Report

鍼灸刺激の転写因子NFkBを介する局所炎症・免疫機転への分子メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 22590670
Research InstitutionMorinomiya University of Medical Sciences

Principal Investigator

松熊 秀明  森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (70518638)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青木 元邦  森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (00346214)
川畑 浩久  森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 助教 (30454680)
Keywords東洋医学 / 鍼灸刺激 / 炎症 / 転写因子 / NFkB / サイトカイン / マクロファージ
Research Abstract

(1)炎症筋肉に対する灸による熱刺激が炎症・筋肉再生に及ぼす影響
鍼灸刺激の局所への影響として、疾患により炎症を抑制・惹起と両面があるとされ、biphasicで曖昧である。我々は塩酸ブピパカイン筋注モデルを用いて灸刺激の影響を検討している。炎症惹起と同時に灸刺激を間欠的に3回実施。筋肉において、IL-1β,IL-6のmRNA発現はブピパカイン単独群より灸介入群で上昇していた。筋芽細胞のマーカーであるPAX7もmRNA発現、転写因子Myo-Dの発現も灸介入群で亢進し、さらに1週間後の組織学的検討にてコンパートメントを維持した筋肉の再生亢進が確認できた。灸刺激による間欠的Heat shockは、炎症を初期段階で惹起することで再生促進に繋がり、炎症抑制による治療効果ではないことが示唆された。
(2)炎症性腸疾患(IBD)モデルに対する鍼刺激の影響
鍼刺激の遠隔臓器に及ぼす影響もまたメカニズムは解明できていない。欧米では代替・補完医療としてIBDに対して鍼治療が比較的ポピュラーであるが、DSS飲水腸炎モデル動物を用いた基礎実験にて鍼刺激の影響を検討した。DSS負荷と同時に鍼刺激を実施し、10日目に影響を検討した。IBDの病態を示す臨床症状スコアDAI(Disease activity index)は鍼介入群で有意に低下し、特に便性状・血便のスコアで有意差を認めた。大腸長には有意差はなかったが、組織学的検討にて、マクロファージの浸潤・接着因子ICAMの発現が抑制されている傾向にあった。現在IL-1β,IL-6,TMF-α,NFkBの発現・転写活性について検討中である。遠隔臓器へ鍼刺激が影響するのは自律神経系を介すると考えられる。交感神経活性化による腸症状を鍼による副交感神経活性化による腸管運動抑制が炎症抑制につながる可能性が示唆されるが、さらなる詳細な検討が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた炎症モデルにおいて鍼灸刺激の抗炎症作用は認めなかったため、モデルを変更している。現在は塩酸ブピパカインモデルを用い、炎症の間欠的惹起が筋肉再生を促進するという仮説が証明されつつある。現在、転写因子MyoD,NFkBを軸として鍼灸刺激・炎症・筋肉再生の関連を検討しており、当初の仮説はnegativeであり、モデル・仮説をアレンジしたため、若干の遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

塩酸ブピパカインモデルは再現性の高い炎症と筋肉挫滅が見られ、実験系は安定している。鍼刺激では各種炎症マーカー・筋再生に影響がなかったため、Heat shockとして灸刺激を用い、間欠的なHeat shockが筋肉再生を促進させることを示し、現在詳細を検討中である。炎症マーカーとして、IL-1,IL-6,NFkB、筋肉再生マーカーとしてMyoD,Pax7などの発現を検討している。今後、各種分子生物学的手法を用いた実験系で本検討を継続し実施する。

URL: 

Published: 2013-06-26  

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