2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590671
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
林 晴男 産業医科大学, 医学部, 講師 (80569161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 孝和 九州大学, 医学研究科, 准教授 (60291514)
米良 貴嗣 産業医科大学, 医学部, 助教 (20533053)
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Keywords | 心因性発熱 / ストレス性高体温症 / 慢性疲労症候群 / 不明熱 / 心身症 |
Research Abstract |
平成22年度は、(1)まず雄ウイスターラットに急性型心因性発熱モデルとして社会的敗北ストレス(後述)を1時間加えた時の体温変化を観察した。実験2週間前に、ウイスターラットの腹腔内にテレメトリー送信機を埋め込む手術を行ない、その後、テレメトリーシステムを用いて腹腔温度(Tc)を連続測定した。実験当目、雄ロングエバンスラット(400-500g)のケージの中にウイスターラット(200-250g)を入れ、ウイスターラットが明らかに服従的な行動を示した時点で、2匹を金網で仕切り、1時間後にホームケージに戻すというストレス(社会的敗北ストレス)を加えた。ウイスターラットのTcはストレス負荷中、約2℃上昇した。(2)次に別のウイスターラットを用いて上記と同様のストレスを負荷し、負荷終了15分後に4%パラフォルムアルデヒドを還流し脳を固定。厚さ30mmの脳切片を作成しFos染色を行った。ストレス群では、ストレス非負荷群に比べて淡蒼縫線核、大縫線核を中心とする吻側延髄縫線核領域(主要な発熱媒介物質であるプロスタグランディンE2を脳内投与した時に活性化する脳内部位)に有意に多くのFos陽性細胞が発現していた。(3)さらに、社会的敗北ストレスを加える1時間前にジアゼパム4mg/kg腹腔内投与した群とvehicleを投与した群とで、Tcの変化と吻側延髄縫線核領域でのFos陽性細胞の数を比較した。ジアゼパム群ではvehicle群に比べて、ストレス性Tc上昇と吻側延髄縫線核領域でのFos陽性細胞の数が有意に抑制された。(4)社会的敗北ストレスを加える1時間前にインドメタシン5mg/kg腹腔内投与したが、Tc上昇は抑制されなかった。 したがって、発熱と社会的敗北ストレスによるTc上昇とでは機序が異なるものの、共通して吻側延髄縫線核領域を活性化することがわかった。
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Research Products
(8 results)