2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590676
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 宏司 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60261294)
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Keywords | グレリン / GOAT / 漢方薬 / 六君子湯 |
Research Abstract |
消化器癌の化学療法にともなう食欲不振は大きな問題の一つであるが、有効な治療法は確立していない。申請者はシスプラチン投与にともなう食欲不振に対して、六君子湯およびその成分が5HT2受容体に拮抗することにより血中アシルグレリンを増加させ、食欲不振を改善することを報告してきた。しかしながら、血中アシルグレリン/デスアシルグレリン比が上昇する機序は不明のままであった。本研究は、六君子湯およびその成分がアシル基転移酵素(GOAT)の活性を修飾する可能性を検証することを目的とする。 平成22年度は、シスプラチンおよびセロトニン投与がグレリン産生系に与える影響の検討を行った。7週齢の雄性SDラットにシスプラチン(2mg/Kg、ip)、セロトニン(2mg/Kg、ip)を投与し30分ないし120分後にと殺して、静脈血および胃粘膜を回収し、静脈血および胃粘膜acyl-ghrelin、desacyl ghrelinを特異的ELISA法(三菱)により定量したところ、acyl-ghrelinおよびdesacyl ghrelinは、いずれも静脈血で低下、逆に胃粘膜で増加を示した。 また本年度は、平成23年度に予定されている実験の準備のため、ラットおよびヒトcDNAライブラリーより、特異的プライマーを用いたPCR法にて、preproghrelinおよびGOAT遺伝子をクローニングし、発現ベクターへのサブクローニングを行った。
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