2012 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌発生メカニズムの解析を可能にする胃粘膜特異的な遺伝子変異導入マウスの作成
Project/Area Number |
22590679
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 宏嗣 東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (50384764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 喜裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10529192)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 胃癌 / マウスモデル / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
K19-Cre ERTトランスジェニックマウスを用いて、タモキシフェン誘導性に胃上皮細胞の遺伝子改変モデルを樹立した。Kras変異、TGFbII型受容体ノックアウトマウスとの交配によって胃粘膜とくに腺窩上皮細胞において著明な過形成がおこり、化生性変化、壁細胞の消失などヒト胃癌の発生母地となる萎縮性胃炎に類似した変化が認められた。過形成細胞は免疫染色による検討ではサイクリンD1、PCNAなど細胞増殖マーカーが陽性であった。これらの細胞増殖マーカーは化学発癌によるマウス胃癌でも発現が増加しており、ASK1のノックアウトマウスでは減少していた。 続いてヒト胃癌の重要な病因となっているヘリコバクターピロリが胃粘膜の増殖や化生性変化に与える影響を検討するため野生型マウスとASK1ノックアウトマウスにヘリコバクターピロリを感染させた。ヘリコバクター感染野生型マウスでは化生性変化と壁細胞の消失を認めたが、ASK1ノックアウトマウスではおれらの変化が増悪していた。この変化における胃粘膜の役割を検討するため骨髄移植によるキメラマウスを作成した。ASK1ノックアウト胃粘膜と野生型骨髄細胞(免疫細胞)を持つマウスでは化生性変化は野生型マウスと変化なく上皮の増殖反応はやや減弱していた。一方野生型上皮とASK1ノックアウト骨髄細胞のキメラマウスでは、胃炎の悪化と化生性変化の増悪がみられた。 最後にASK1を標的とした胃癌治療について、培養細胞と胃癌移植マウスを用いて検討した。ASK1阻害薬は容量依存性に胃癌の増殖を抑制し、さらに50mg/kgの投与によってマウスに対する毒性はみられなかった。 本研究によって胃癌における上皮細胞増殖シグナルに重要な分子の同定と標的治療を開発しえた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)