2012 Fiscal Year Annual Research Report
multi-modality全周性センサーアレイの開発と食道運動能の解析
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22590683
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
木下 芳一 島根大学, 医学部, 教授 (30243306)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 胃食道逆流 / 逆流性食道炎 / 横隔膜 / pH |
Research Abstract |
胃食道逆流に伴う下部食道の損傷が原因となって発症する逆流性食道炎の病因を明らかにするために、全周8方向のpHと内圧を同時に測定できるセンサーカテーテルアレイを開発した。このカテーテルを用いて胃液の食道内逆流には2つのタイプの異なる逆流があることを明らかにした。1つはvolume refluxで一過性の下部食道括約筋弛緩に伴って全周性の胃酸逆流がおこり、その直後に食道二次蠕動性収縮による逆流胃酸のクリアランスがみられる。他の1つはcreeping refluxと呼ぶべき一過性下部食道括約筋弛緩は伴わない少量の胃液の食道への逆流で、胃酸に曝露されるのは食道壁の右側を中心としたごく一部である。この少量逆流は二次性の食道蠕動性収縮によるクリアランスを誘導しないため長時間食道粘膜の一部が酸に曝露されることとなる。このようなcreeping refluxの存在が明らかになったことは本研究の大きな成果であり、Volume reflux よりもcreeping reflux の方が食道粘膜に局在性のびらんや潰瘍を形成する原因として重要であると考えられる。Volume refluxとcreeping refluxの出現時の食道壁の動きを検討する目的で胃食道接合部の320列のarea detector CTによる健常者のdynamic imagingを行った。CTを行うことで胃食道接合部の食道壁および横隔膜の動きを正確にとらえることができ、胃食道逆流時の食道壁の形態変化を明らかにすることができた。特に、CTにて下部食道括約筋が他の食道壁より厚いこと、前壁より後壁が厚いこと、括約筋の存在部位が内圧で測定するよりも短いこと、逆流性食道炎例では下部食道括約筋部の拡張性が健常者に比較して大きいこと、逆流性食道炎例の横隔膜裂孔周囲の脂肪組織量が健常者よりも多いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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