2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者におけるカプサイシン感受性神経の食道運動障害に与える影響についての検討
Project/Area Number |
22590684
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
古田 賢司 島根大学, 医学部, 助教 (40362933)
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Keywords | TRP / 慢性逆流性食道炎モデル / 胃食道逆流症 |
Research Abstract |
胃食道逆流(GERD)症状とtransient receptor potential (TRP)イオンチャネルスーパーファミリーを構成する受容体であるTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1との関連を明らかとするため正常ラットを対象としたTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1の発現・分布に関する検討、ラット慢性逆流性食道炎モデルによるTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1の発現・分布に関する検討を昨年まで行ってきた。 昨年、10週齢の正常ラット及び慢性逆流性食道炎ラットモデルを用いてTRPV1、TRPV2、TRPA1のmRNA発現レベルを検討した結果、慢性逆流性食道炎モデルにおいては下部食道に比し上部食道で有意に高い値を示し、慢性逆流性食道炎ラットでは食道上部でTRPファミリーの分布が多いことが予想され、これがヒトにおいての症状発現の一因となっている可能性が考えられた。ただ、慢性逆流性食道炎ラットは術後死亡するものも多く、数例での検討となり十分な例数での検討はできていなかった。ヒトで検証する前にラットモデルでの検討症例を増やし再度同様の結果が得られるか確認が必要と考え症例を追加。その結果、前回と同等の結果が得られたためヒトへの検討を開始。実際に健常者とGERD患者においてTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1の発現・分布に違いが認められるかについての検討を行うため、当院の倫理委員会の承認を得たのち検討に移った。対象者から研究に参加していただく同意を得たのち、下部・中部・上部食道の粘膜を生検し検体を確保。検体の確保をすすめると共に、併せてTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1のmRNA発現レベルの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の計画通りであれば、ヒトでのTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1の発現・分布について少なくとも10例以上について検討していなければならないが、前年度のラットモデルでの検討症例数が数例と非常に少なかった。結果は予想されたものであったがヒトで検討する根拠となるデータが不足していたため、追加検討し検証したことによりヒトでの検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトでの検討に関しては、当院での倫理委員会の承認も得、正常者、患者を対象にTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1の発現・分布を検討するための生検を開始している。できる限り症例数を確保するため対象者の確保に努めると共に、生検組織から得られたデータの解析を滞りなく進めるよう努力する。
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