2010 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮癌特異的マイクロRNAの血中同定と臨床診断への応用
Project/Area Number |
22590685
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
磯本 一 長崎大学, 病院, 准教授 (90322304)
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Keywords | マイクロRNA / 食道扁平上皮癌 / 内視鏡的粘膜下層剥離術 / 化学放射線療法 |
Research Abstract |
内視鏡下に食道癌症例の癌部・周辺非腫瘍粘膜から生検サンプルを用いてマイクロアレイで同定した12種のヒトマイクロRNA(食道扁平上皮癌部で2倍以上の発現変化)を定量的に分析してみると、マイクロRNA-1246、マイクロRNA-1290、マイクロRNA-196a、マイクロRNA-196b、マイクロRNA-1914、マイクロRNA-424、マイクロRNA-130b、マイクロRNA-7、マイクロRNA-455-3pが2倍以上発現上昇した。マイクロRNA-203が2分の1以下に発現低下した。 食道扁平上皮癌組織のマイクロRNA発現と臨床病理学的因子の関連性を明らかにするために、多段階に食道癌が発癌する過程においてマイクロRNAが果たす役割を解析する。すなわち、炎症性変化から、低・高度異形成(前癌病変)、上皮内癌、早期癌、進行癌の各段階において、マイクロRNAの発現強度や発現様式と臨床病理学的因子(分化度、深達度、浸潤様式、脈管侵襲、リンパ節・遠隔転移)や予後との関連性を評価する。 しかしながら、異形成~上皮内癌~早期癌のサンプルが十分でなく、内視鏡下粘膜下層剥離術を用いて切除標本、施行時の血液サンプルを集積して、臨床病理databaseを構築した。化学放射線療法前後における非腫瘍部食道粘膜のマイクロRNAの変動を、6症例において統計的に解析した結果で有意差がなかったが、2倍以上増加したマイクロRNA-1914については放射線応答性マイクロRNAである可能性があり、症例を追加し治療前後でその発現変動を追求する。
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