2010 Fiscal Year Annual Research Report
分光特性を用いた消化管壁および癌の血管構造の3次元再構築技術の開発
Project/Area Number |
22590689
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
町田 浩久 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00382078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 和作 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80336768)
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40285292)
渡辺 俊雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50336773)
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Keywords | 消化器内視鏡 / 画像解析 / 血管新生 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
消化管に発生する癌を構成する血管構築は、癌に特有の血管新生によって正常組織における血管構築に比べて血管の走行や太さ、密度、形態に大きな変化がもたらされる。消化管壁に対する光の到達深度が波長依存性であることを利用して、消化管に発生する癌を異なる波長で光を用いて観察し、その得られた画像から血管を抽出するための解析方法を検討・開発する。 消化器内視鏡での観察下に癌病巣、およびその表層に増生した腫瘍血管を詳細に観察し、同病変を内視鏡下または外科的に切除し、切除標本の病理組織学的検討結果と照らし合わせた。大腸病変のNBI拡大微小血管観察によるCP分類を用いた大腸病変の質的診断における有用性と内視鏡検査施行医間での一致率を検討した。対象は当院でNBI拡大観察および色素拡大観察を行った後に内視鏡的切除を行った15mm以下の大腸病変の中で、病理学的評価が可能であった112病変を対象とした。NBI拡大観察および色素拡大観察で得た画像を熟練した消化器内視鏡医3人が質的診断について評価を行った。NBI拡大観察にはCP分類を、色素拡大観察には工藤・鶴田分類を用い、内視鏡医間の診断の一致率の検討にはCohenのκ係数を用いた。その結果、各分類を用いた腫瘍・非腫瘍の鑑別における正診率は、CP分類86.8%、工藤・鶴田分類86.6%であった。術者間の一致率(κ係数)は、CP分類0.59であったのに対し、工藤・鶴田分類0.77であった。腫瘍・非腫瘍の鑑別における術者間の一致率は、NBI拡大観察0.721、色素拡大観察0.917であった。この結果からCP分類を用いた大腸病変の内視鏡診断は、腫瘍・非腫瘍の鑑別に有用、かつ内視鏡医間で良好な一致率を有するものの、病変の特徴によって判断が困難なものに対しては色素拡大観察の併用も必要であると考えられた。 今後、再現性の高い診断法確立のために血管の特徴について普遍的な評価法が必要と思われる。3次元構築像を構築することができれば、大きな一助になると考えられる。
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Research Products
(7 results)