2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃マルトリンパ腫におけるヘリコバクター属の感染実態および分子標的薬の効果の解析
Project/Area Number |
22590690
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 正彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (30155858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 英則 北里大学, 生命科学研究科, 講師 (30219373)
高橋 哲史 北里大学, 薬学部, 助教 (40449004)
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Keywords | 胃MALTリンパ腫 / ヘリコバクターハイルマニイ / ヘリコバクターピロリ / in situ hybridization法 / PCR法 |
Research Abstract |
1)in situ hybridization法による検討 内視鏡生検組織をHelicoporterにて保存後、すでに確立してきたH.pyloriに対する417bp,H.heilmanniiに対する112bpのprobeを用いてH.pylori,H.heilmanniiに対するPCRを施行し、胃粘膜病変、rapid urease test(RUT)の結果と対比した。その結果、カニクイザル、マウスの検討とは異なり、現在までの陽性5症例はすべてH.heilmanniiに対するPCRは陽性だが、RUTは陰性であり,そのsubtypeは異なっている可能性が示された。また、陽性者については、病理組織学的検討に用いた組織およいびparaffin切片を用いて、microprobe法によりin situ hybridization方を施行した。その結果、陽性者のMALTリンパ腫においては、腫瘍組織内に陽性部位が散在性に分布していたが、電子顕微鏡による検討では、明らかな菌体は検出されないため、現時点では菌体成分が腫瘍形成の引き金になっていると考えられた。 2)上部消化管内視鏡生検およびパラフィンブロックを用いた検討 内視鏡的生検組織および症例のパラフィンブロックを用いて、慢性胃炎、胃潰瘍、早期胃癌、進行胃癌、胃MALTリンパ腫胃組織の採取および細菌学、病理組織化学,分子生物学および免疫学的検討を行った。特に、前回の検討で対象にしていなかった早期胃癌、進行胃癌、鳥肌胃炎症例に重点をおいて胃MALTリンパ腫症例とともに検討している。現在、症例数はまだ少ないが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍症例では陽性例が認められているが頻度の点では、胃MALTリンパ腫が約30%であり、他疾患に比し極めて勲率であることが明らかとなっている。さらに今後も症例を追加する予定である。
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Research Products
(3 results)