2011 Fiscal Year Annual Research Report
胃マルトリンパ腫におけるヘリコバクター属の感染実態および分子標的薬の効果の解析
Project/Area Number |
22590690
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 正彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (30155858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 英則 北里大学, 生命科学研究所, 講師 (30219373)
高橋 哲史 北里大学, 薬学部, 助教 (40449004)
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Keywords | 胃マルトリンパ腫 / ヘリコバクター / 鳥肌胃炎 / VEGF / Flt-1 / Flk-1 / in situ hybridization法 / PCR法 |
Research Abstract |
上部消化管内視鏡生検組織を用いた検討では、内視鏡的生検組織を用いて、慢性胃炎(化生性胃炎、萎縮性胃炎、鳥肌胃炎)、胃潰瘍、胃ポリープ、MALTリンパ腫胃組織の採取し、PCR法による検討を行った結果、MALTリンパ腫では7/18,その他の上部消化管疾患では合わせて5/250のH.heilmannii(Hh)陽性率を認めた。また、細菌学的、分子生物学的検討として、16S rRNAおよびureaseのsequenceを検討しGENETYX-MAC:UPGMAによりcluster解析を施行した結果、H.heilmanniiおよびH.suisに分類される菌であることが明らかとなった。病理組織学、免疫学的検討からは、生検組織を用いた検討でPCR法陽性者に対応した陽性所見を認めた。さらに鳥肌胃炎症例2例が陽性であることから、胃癌との関連性が示唆された。また、H.pyloriに対するPCRとの両者の陽性率がMALTリンパ腫症例できわめて高率であることが明らかとなった。 感染モデルによる検討では、カニクイザルより分離、マウスに継代し、Hhとして同定、登録している菌および鳥肌胃炎症例の胃組織を含んだ胃粘液を採取し、胃ゾンデによりC57BL/6マウスに感染させ、1,2,3,6,12ヶ月後の胃組織を採取し、病理組織化学的検討、PCR,in situ hybridization法による検討を行った。その結果、感染6ヶ月以降のマウスでは全例に胃底腺粘膜内に隆起性病変を認めた。また壁細胞内への浸潤およびapoptosisの所見が観察された。組織化学的には、VEGF-A、Flt-1,Flk-1,COX-2,iNOSが腫瘍内および周辺部で強陽性所見を示したことから、虚血を引き金とする発現増殖が関与することが示唆された。さらに受容体抗体投与が極めて有効であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の検討では、予定より症例数が少ない。これは全国的にMALTリンパ腫症例がやや減少傾向にあったことも関係すると考えられるが、今後はさらに協力施設を増やす予定になっていることから、詳細な検討が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やす点に関しては、すでに数施設の協力が得られることになっている。動物実験については、VEGF二加え、HGFの受容体であるc-METが予備的検討から微小循環系に作用し、その抗体投与が腫瘍抑制に有効であることが示唆されたことから、この点について詳細に検討する予定とした。
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Research Products
(7 results)