2010 Fiscal Year Annual Research Report
日米共同研究によるバレット食道の発生ならびに抑制機序の解明
Project/Area Number |
22590692
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
渡 二郎 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10311531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
|
Keywords | バレット食道 / メチル化異常 / ゲノム不安定性 / Helicobacter pylori |
Research Abstract |
本研究は、内視鏡検査の施行前に、バレット食道を認めた場合に生検を行い、DNA解析を行うとする同意書を得てから行うため、症例の集積に時間がかかっている。その中で、9例の解析を行った。 1) エントリーされた症例は、全てshort segmentバレット食道であった。また9例中、4例(44.4%)に特殊腸上皮化生(SIM)を認めた。 2) ゲノム不安定性は2例(22.2%)に認めた。 3) メチル化異常はhMLH10例(0%)、p160例(0%)、E-cadherin2例(22.2%)、APC6例(66.7%)に認めた。 4) SIM群(n=4)とSIMを認めない群(CLE群、n=5)でのゲノム不安定性とメチル化の頻度を比較すると、両群間に差を認めなかった。 5) SIM群の背景粘膜の粘液形質は、SIM部分ではMUC2、CDX2陽性の腸型形質であり、CLE群ではMUC6陽性の胃型形質であった。 6) H.pylori感染例(n=3)と非感染例(n=6)の比較においても差を認めていない。これらの中で2例に対して除菌治療を行い、H.pylori陰性例の4例に対してPPI投与を行い経過観察中である。 7) Barrett食道癌細胞株(OE19、OE33)を入手し、現在、種々のpH条件での上記分子マーカーの発現の変化について検討中であるが、良好な結果が得られていない。今後、CagA陽性H.pylori株とco-cultureし、同様の手法で研究する予定である。 今後、生検材料を用いた、これらの分子マーカーの変化を1年後に解析する予定である。同時に、現在も症例を集積中であり、現段階では24例の症例をエントリーし、解析中である。
|