2012 Fiscal Year Annual Research Report
日米共同研究によるバレット食道の発生ならびに抑制機序の解明
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22590692
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
渡 二郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10311531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バレット食道 / 特殊腸上皮化生 / 円柱上皮化生 / プロトンポンプ阻害薬 / メチル化異常 / マイクロサテライト不安定性 / Das-1抗体 |
Research Abstract |
【具体的内容】65名のBE患者(LSBE3例、男性49例)を対象とした。BE粘膜からの生検で特殊腸上皮化生(SIM)を認めた場合はSIMから(SIM群)、認めなかった場合には円柱上皮化生(CLE)から(CLE群)LCMを用いて選択的にDNAを抽出した。 1.SIM群は35例、CLE群30例であった。2.SIM群とCLE群のMicrosatellite instability(MSI)は28.6%と23.3%に認めた。また、メチル化異常は、hMLH1遺伝子では2.9%と3.3%、p16遺伝子では20.0%と16.7%、E-cadherin遺伝子では14.3%と10.0%、APC遺伝子では28.6%と43.3%に認め、いずれの遺伝子においてもメチル化異常の頻度はSIM群とCLE群との間に差を認めなかった。また、Das-1抗体との反応性は、それぞれ77.1%と16.7%でありSIM群で有意に高かった(p<0.0001)。3.SIM群とCLE群でH. pylori(Hp)感染の有無別に各分子マーカーとDas-1反応性を比較したが有意差を認めなかった。4.無作為介入試験の登録例は、PPI投与群(n=4)vs PPI非投与群(n=5)、Hp除菌群(n=2)vs 非除菌群(n=2)であった。PPI投与群ではMSIとp16、E-cadherin、APC遺伝子のメチル化異常はすべて消失していたが、PPI非投与群ではその傾向はなかった。Hp除菌群と非除菌群では差を認めなかった。 【意義】1.本邦のBE患者(SIM群)も米国と同様にDas-1反応性は高率であった。2.CLE群での分子異常はSIM群と同等に認められ、CLE群も前癌病変と考えられた。3.PPI投与によりBEでの分子異常は低下する可能性がある。 【重要性】日本人のBEも米国人と類似しており、PPI投与はBEの進展を抑制する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)