2010 Fiscal Year Annual Research Report
TNF-SF15は腸管上皮細胞にオートファジーを誘導する
Project/Area Number |
22590693
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 成一 東北大学, 病院, 助教 (40312574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 喜孝 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (20250780)
遠藤 克哉 東北大学, 病院, 医員 (40509197)
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Keywords | クローン病 / オートファジー / TNF-SF15 |
Research Abstract |
クローン病は、消化管に潰瘍を形成する原因不明の慢性特発性炎症性腸疾患である。民族により発病率が異なること、高家族内集積性が認められること、二卵性双生児よりも一卵性双生児において疾患の一致率が高いことなどから、遺伝的素因が関与する多因子疾患と考えられている。最近クローン病の疾患感受性遺伝子として、ATG16L1遺伝子、IRGM遺伝子があらたに感受性遺伝子として同定された。このATG16L1遺伝子、IRGM遺伝子は、オートファジー機構に係る遺伝子であるが、本研究者らは、日本人クローン病の発症にTNF-SF15遺伝子が関わることを報告し、またその研究途上で、TNFSF-15遺伝子が腸管上皮培養細胞のオートファジー現象に関わることも新たに見出した。そこで本年度は、オートファジーを検出できる腸管上皮培養細胞系を確立し、TNFSF-15遺伝子がどのような機序でオートファジーに関わるか検討を開始した。 ヒトLC3B遺伝子cDNAを得るため、消化管より抽出したmRNAを鋳型としてRT-PCR法により単離した。この時リンカープライマーは、各々EcoR I制限酵素部位を有するよう設計した。次に、クローンテック社の緑色蛍光蛋白EGFP発現プラスミドEcoR I部位に、ヒトLC3B遺伝子cDNAをインフレームとなるよう組み込み、GFP-LC3発現ベクターを作成した。このベクターをコンピテントセルに遺伝子導入し、対数増殖期の大腸菌からQIAGEN Plasmid Kitを用いてプラスミドDNAを抽出した。最終濃度は、2~4μg/μlになるよう調整した。このベクターをリポフェクション法により、ヒト大腸上皮細胞株のSW480細胞、HT-29細胞へ遺伝子導入し、限界希釈法にて安定導入株を得た。
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