2010 Fiscal Year Annual Research Report
血清中マイクロRNAを用いた炎症性腸疾患に対する治療効果予測法の確立
Project/Area Number |
22590707
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中道 郁夫 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60419570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 主之 九州大学, 大学病院, 講師 (10278955)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80244789)
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (80251304)
村上 善樹 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00397556)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / マイクロRNA / 血清診断 / マイクロアレイ / 発現制御 |
Research Abstract |
マイクロRNAはタンパクに翻訳されない小分子RNAであるが、近年ではメッセンジャーRNAの翻訳抑制や分解に重要な役割を果たし、発現制御の一端を担っている事が分かってきた。また、一般的には不安定で分解が早いとされるRNAであるが、マイクロRNAの一部は血清中でも安定的に存在する事が示唆されている。そこで我々は、難病である炎症性腸疾患の患者血清よりマイクロRNAを測定し、新たなバイオマーカーとする血清診断法の確立を目指している。 本年度は、クローン病との確定診断を受けて、現在主流となっている抗TNF抗体製剤(インフリキシマブ)を使用する患者を対象とした。典型的2例の治療前と治療後の血清よりRNAを抽出し、PCRベースのマイクロアレイ(市販品)を用いて測定し、著明に変化をした候補マイクロRNAを選定した。次に12例のクローン病患者の血清にて、リアルタイムPCRで追試を行いmiR-210とmiR-486-3pが治療後に有意に減少している事が明らかとなった。対照群15例との比較においても上述のマイクロRNAは対照群で有意に低値を示しており、疾患の活動性に相関している可能性が示唆された。そこでCDAIとの相関を検討したところ、miR-210では有意差が得られなかったものの、 miR-486-3pではr=0.520,p=0.047で相関が認められた。 今後は治療反応性の予測や、内視鏡に依らない低侵襲の診断法が期待される。
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Research Products
(1 results)