2012 Fiscal Year Annual Research Report
血清中マイクロRNAを用いた炎症性腸疾患に対する治療効果予測法の確立
Project/Area Number |
22590707
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中道 郁夫 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60419570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 主之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10278955)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | miRNA / 炎症性腸疾患 / 血清診断学 / 核酸創薬 |
Research Abstract |
マイクロRNA(miRNA)はタンパクに翻訳されない小分子RNAであるが、mRNAの翻訳抑制や分解に重要な役割を果たし、発現制御の一端を担っている事が分かっている。そこで我々は、難病である炎症性腸疾患の患者血清にてmiRNAを測定し、新たなバイオマーカーとする血清診断法の確立を目指している。 前年度までにクローン病の標準的な分子標的療法である抗TNFα抗体投与の前後で血清中miRNAを網羅的に測定した。結果として14個のmiRNAで変化を認めたが、本年度は16例において臨床像との相関関係を検討した。我々は緩解群と非緩解群の比較において、緩解群ではlet-7dとlet-7eが有為に増量していることを確認した。血清中let-7の分子生物学的意義は今後の検討課題であるが、アポトーシスへの関与が報告されている事より、炎症を惹起しているTリンパ球にアポトーシスが誘導されている結果と推察される。この結果より治療抵抗性のクローン病に対してlet-7による補充療法の可能性が示唆された。 また、前年度はTaqManのRT-PCRを用いた手法を中心に行ったが、今年度はmiRCURYを用いた網羅的アレイ解析をクローン病と潰瘍性大腸炎の比較検討に用いた。初めにTaqManとmiRCURYでは測定結果に差異があり、測定法や標準化を確立しなければ比較検証が困難であることが分かった。しかしながら、我々の集めた血清から測定法や炎症性腸疾患の病態に依存しないmiRNAを同定しており、これが今後の比較検討を続ける際の内部標準になるものと思われる。さらに、この内部標準と組み合わせることによりクローン病と潰瘍性大腸炎を鑑別可能なmiRNAを取得した。これらのmiRNAは多数例での検証作業を経ていないため未発表であるが、クローン病初期の鑑別困難例に対する早期治療によって粘膜治癒の可能性を広げることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)