2011 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪肝炎発症における自然免疫機構の解明 新規治療法の開発に向けて
Project/Area Number |
22590714
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三浦 光一 秋田大学, 医学部, 講師 (90375238)
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Keywords | 肝臓学 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / Toll-like receptor / 炎症性サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
メタボリック症候群の肝臓での表現型とされる非アルコール性脂肪性肝炎(以下NASH)に対する有効な治療法は現在なく、分子メカニズムに基づいた新規治療法の開発が求められている。我々はメタボリック症候群に伴う自然免疫の異常、特に細菌構成成分を認識する受容体Toll-like receptor(以下TLR)とその下流分子がNASH発症や進展に関与しているとの仮説を立て、研究を行っている。遺伝子改変マウスを用いた結果からTLR2,TLR4,TLR9はNASHに促進的に作用することが判明した。またTLRの下流に位置する炎症性サイトカインがNASHでは増加し、TLRKOマウスではNASHの軽減と伴に、炎症性サイトカインの低下を認めた。実際、IL-1R KOマウスでもNASHの改善を認めた。またこれらTLR KOマウスに共通するのは炎症性細胞浸潤の軽減であり、これら細胞の一部は骨髄由来マクロファージであることが判明した。代表的ケモカインMCP-1やその受容体CCR2はNASH動物モデルでは増加していたことから、CCR2KOマウスにNASH誘導食を投与したところ、NASHの改善が認められた。さらにCCR2阻害剤をWTマウスに経口投与したところNASHの改善が認められた。現在、これらの成果は投稿中で、一部はrevision中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費援助により、すでに論文3編が受理されており、また本研究課題として挙げた残り一つの論文も現在投稿中であることからおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究は順調に進行しており、実験計画に沿った研究を遂行するのみである。
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[Presentation]2011
Author(s)
三浦光一
Organizer
第47回日本肝臓学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2011-06-02
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