2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590723
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水腰 英四郎 金沢大学, 附属病院, 講師 (90345611)
|
Keywords | ペプチド / ワクチン / 肝細胞がん / AFP / hTERT / エピトープ |
Research Abstract |
本年度は1)肝癌特異的腫瘍抗原におけるHTLエピトープの同定と2)肝癌患者におけるHTLを介した抗腫瘍免疫反応の解析をさらに行い、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)とアルファフェトプロテイン(AFP)の2つの腫瘍抗原においてさらに多くのHTLエピトープとなりうるアミノ酸配列を同定することができた。また肝細胞癌に対する各種治療方法とこれらのエピトープに反応するT細胞の免疫応答の解析として、現在肝癌の標準的治療として行われているラジオ波焼灼療法・肝動脈塞栓療法の治療前後における免疫反応の変化を測定することによって、HTLによる抗腫瘍効果の増強と治療効果との関連を検証するためのデータの取得を行った。これらのデータをもとに現在以下の[○!A]~[○!D]の条件を満たすペプチドを選定している。[○!A]末梢血リンパ球におけるfrequencyが高い。[○!B]より多くの患者において検出が可能である。[○!C]腫瘍内浸潤リンパ球によって認識される。[○!D]治療効果や治療後再発に関連性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞癌に特異的なHTL拘束性エピトープの同定に関しては、hTERTとAFPの2つの抗原に関して、予想以上の数のエピトープが同定できている。一方、免疫治療に有用と考えられるエピトープの選定に関しては、現在臨床情報と免疫反応側的結果を用いた解析を行っているところであり、エピトープの決定には至っていない。 このため動物モデルを用いたペプチドの安全性試験が終了しておらず、次年度に行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
肝細胞癌の免疫治療に有用と考えられるHTLエピトープの選定を行うための臨床情報と免疫反応側的結果を用いた解析を推進する。動物モデルを用いた安全性の検討に関しては、エピトープ数が完全に決定しない状態でも、有効性が示唆されたものから順番に前倒しで検討を行っていく。
|
Research Products
(4 results)