2010 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪肝炎の病態形成におけるJNKシグナルの機能解析
Project/Area Number |
22590728
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
児玉 裕三 京都大学, 医学研究科, 助教 (80378687)
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Keywords | NASH / 肝線維化 / JNK |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態形成、とくに肝硬変・肝細胞癌への進展におけるc-Jun N-terminal Kinase(JNK)の役割を明らかにし、NASHの治療ターゲットとしてのJNKの可能性を分子レベルで探索することを目的とし、以下の検討を行った。 1. NASH/肝線維化モデルにおける野生型、JNK1^<-/->、およびJNK2^<-/->マウスの解析 コリン欠乏アミノ酸食(CDAA diet)を用い、野生型、JNK1^<-/->、およびJNK2^<-/->マウスにNASH/肝線維化を誘導した。肝臓における脂肪化の程度について、Oil Red O染色、肝組織中トリグリセライド含有量などにて評価を行ったところ、これらのマウスの間に明らかな差が認められなかった。一方、肝線維化の程度について、Sirius Red染色、線維化関連遺伝子の発現などにより検討を行ったところ、野生型、JNK2^<-/->マウスと比較してJNK1^<-/->マウスでは肝線維化の程度が低かった。 2. 初代培養細胞を用いたJNK1およびJNK2のin vitro機能解析 野生型、JNK1^<-/->、およびJNK2^<-/->マウスより初代培養肝細胞を分離し、遊離脂肪酸の添加によりin vitroにおいて肝細胞の脂肪化を誘導した。これらの肝細胞間での脂肪化の程度、脂肪化による肝細胞死の程度について比較検討を行ったところ、明らかな差は認められなかった。 以上の結果より、NASHによる肝線維化にはJNK1が重要な役割を果たしていることがin vivoの検討により示唆された。一方、野生型、JNK1^<-/->、およびJNK2^<-/->肝細胞の脂肪化に対する感受性・脂肪化による細胞死の程度はin vitro、in vivoにおいて同程度であり、肝線維化には肝細胞以外の細胞腫におけるJNK1の関与が中心となっている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Disruption of TAK1 in Hepatocytes Causes Hepatic Injury, Inflammation, Fibrosis and Carcinogenesis.2010
Author(s)
Inokuchi S, Aoyama T, Miura K, Osterreicher CH, Kodama Y, Miyai K, Akira s, Brenner DA, Seki E.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA.
Volume: 107
Pages: 844-849
Peer Reviewed