2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝疾患の治療反応性と予後に関連する遺伝子素因の解析
Project/Area Number |
22590733
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩崎 良章 岡山大学, 保健管理センター, 准教授 (00314667)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 憲二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10037286)
池田 房雄 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10534571)
|
Keywords | C型肝炎 / インターフェロン / リバビリン / 治療効果 / コア蛋白アミノ酸 / レプリコン / IL28B / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
1.ペグインターフェロンα(PEG-IFNα)とリバビリン併用療法を導入した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎137例を対象に、C型肝炎ウイルス(HCV)のコア蛋白アミノ酸とIL28B遺伝子多型をPCR直接シークエンス法により決定し、TaqMan PCR法により評価した治療反応性との関連を解析した。その結果、コアaa70置換型、IL28B minor(TG/GG)でウイルス陰性化が遅く、IL28B minorは特にウイルス学的無反応に関連していた。著効率はコア(70野生型/置換型)が47%/30%(P=0.032)、IL28B(major/minor)が60%/13%(P<0.001)であった。著効に関連する治療前因子として多変量解析ではIL28Bのみが有意であった。またコア蛋白アミノ酸とIL28B遺伝子多型は有意な関連を示した。コア蛋白アミノ酸とIL28Bは関連しともに著効に関連するが、IL28Bは特にウイルス学的無効例の治療前予測に優れており、臨床的にも有用であることを明らかにした。 2.野生株および種々のアミノ酸置換を伴うコア蛋白の抗ウイルス状態への影響をin vitroの系で検討した。4種類のHCVコア蛋白発現コンストラクト(aa70/aa91:野生型/野生型、変異型/野生型、野生型/変異型、変異型/変異型)を、不死化肝細胞系、肝癌細胞系、HCVレプリコン細胞系(sOR)の一過性発現系において、IFNαおよびIFHα+リバビリンに対する抗ウイルス反応を解析した。IFN誘導遺伝子のプロモーター活性および2',5'-オリゴアデニル酸合成酵素mRNAレベルは、コンストラクト間で相違は認めなかった。コンストラクトを安定導入した不死化肝細胞では、コア蛋白の発現により抗ウイルス反応の増強を認めたが、コンストラクト間での相違は認めなかった。これらin vitroの系では、コア蛋白アミノ酸と抗ウイルス反応との関連は認められないことを明らかにした。
|