2011 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎に対するIFN治療におけるIL28B多型とコア領域変異の影響
Project/Area Number |
22590737
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今村 道雄 広島大学, 病院, 病院助教 (40403513)
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Keywords | C型慢性肝炎 / IL28B / ヒト肝細胞キメラマウス |
Research Abstract |
Genotype 1型のC型肝炎患者においてIL28B遺伝子多型がTG/GGのマイナーアレルの症例はペグインターフェロン/リバビリン併用(PR)療法の治療効果が低いが,これらの症例の中でも治療によって一度でも血中ウイルスの陰性化が得られる症例(VR, virological response)と一度も陰性化が得られない症例(NVR, non-virological response)がある.多変量解析の結果,IL28B遺伝子多型がTG/GGのマイナーアレルの症例のうち,PR療法に対するNVRに寄与する因子として,高齢,ウイルス量高値,Core70変異型が挙げられた.これらの症例は今後,テラプレビルを用いた3剤併用療法に対しても抵抗性となる可能性がある.1型HCV感染患者の肝生検サンプルを用いた解析では,PR療法によってVRとなった症例はNVRとなった症例に比べ,肝臓内のPKR,OAS,MxAなどのインターフェロン誘導遺伝子(ISGs)発現量が有意に低かった.さらにIL28B多型別に検討するとTTの症例ではTG/GGの症例に比べ,これらの発現は有意に低かった.前年度のヒト肝細胞キメラマウスの結果と併せると,IL28B TTの症例は,TG/GGの症例に比べ肝臓内ISGs発現量が低く,IFN投与によりその発現がより強く誘導されるため,治療効果が高いことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に目標としてあげたC型肝炎患者の肝臓サンプルを用いたIFN投与前のISGs発現量とIL28B遺伝子多型の関連の検討,および平成23年度の目標にあげたヒト肝細胞キメラマウスを用いたIFN投与後のISGs発現量とIL28B遺伝子多型の検討は遂行されている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の目標としてあげているヒト肝細胞キメラマウスを用いたIL28B遺伝子多型とCore変異の関連に関する計画を行っていく.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Impact of viral amino acid substitutions and host IL28B polymorphism on replication and susceptibility to interferon of hepatitis C virus2011
Author(s)
Hiraga N, Abe H, Imamura M, Tsuge M, Takahashi S, Hayes CN, Ochi H, Tateno C, Yoshizato K, Nakamura Y, Kamatani N, Chayama K
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Journal Title
Hepatology
Volume: 54(3)
Pages: 764-771
Peer Reviewed
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