2012 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝疾患の病態進展に及ぼす骨格筋組織連関の解析
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22590741
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
江口 有一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (80343341)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨格筋脂肪化 / NASH / NAFLD |
Research Abstract |
【背景と目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態には全身の代謝異常が関連する。骨格筋脂肪化の評価として腹部CTでの腰椎背側の多裂筋と皮下脂肪とのCT値比から骨格筋脂肪化を測定し慢性肝疾患の病態の進展との関係を明らかにする。 【検討1】肝生検で診断されたNASHで病理学的な活動性および進展度と骨格筋の脂肪化の関連を検討。【結果1】NAFLD群では正常群に比べ筋脂肪化が進行し,食事運動療法により肝脂肪化の改善と共に筋脂肪化は改善した。NASHにおいて病理学的線維化の進展により骨格筋脂肪化は進行していた(p<0.01)。多変量解析ではNASH進展が骨格筋脂肪化に影響を及ぼす独立した因子であった(odds ratio = 2.21, p<0.05)。 【検討2】非代償性肝硬変に分岐鎖アミノ酸(BCAA)顆粒製剤を投与し血清アルブミン値や糖代謝とIMACの関連を検討。【結果2】登録された19例のうち12例でIMACの改善が認められた。IMAC改善群では血清アルブミン値の上昇(P<0.05)、腹部CTスキャンでの臍周囲の皮下および内臓脂肪面積の減少(P<0.05)、インスリン抵抗性の改善を認めた。多変量解析では血清アルブミン値の改善へ寄与する因子としてIMACは独立因子であった(OR = 65.3, p<0.05)。 【結論】NAFLDなどのメタボリックシンドロームでは、骨格筋の脂肪化が存在することが明らかになった。さらにNASHでは線維化の進展とともに骨格筋の脂肪化が進展する。またNASHの病態の改善とともに骨格筋の脂肪化は改善する。さらに、非代償性肝硬変において骨格筋は脂肪化しているが、BCAA顆粒製剤は骨格筋の質の改善することにより血清アルブミン値や糖代謝の改善をもたらしている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)