2012 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの脂質代謝への影響と新たな治療標的の開発の研究
Project/Area Number |
22590743
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
斉藤 聡 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00275041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 横浜市立大学, 附属病院, 教授 (30326037)
桐越 博之 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80347294)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ウイルス / 内科 / 感染症 |
Research Abstract |
【研究の目的】これまでにC型肝炎ウイルス(HCV)感染が宿主の脂質プロファイルを変化させることを報告した。本研究ではHCV複製効率の上昇や感染効率の上昇をウイルスのタンパクが、宿主である人の脂質代謝経路に影響を及ぼしている可能性をin vitroの系で検証し、新たな治療標的を見出す。【本年度の成果】HCV感染によりVery Low Density Lipoprotein (VLDL)やIntermediate Density Lipoprotein (IDL)から中性脂肪をぬきとりLow Density Lipoprotein (LDL)にする酵素Hepatic Triglyceride Lipase (HTGL)は、HCV蛋白を発現しているOR6細胞で抑制されていることを明らかにした。HTGLに発現低下によりアポE蛋白が代謝されることを阻害し,HCVが肝細胞に感染しやすい環境を作り出すことが予測された.in vitroで得られた結果より患者肝生検検体におけるHTGLの発現レベルについて比較検討した.この結果B型慢性肝炎患者や,非アルコール性脂肪肝炎の患者と比較して明らかにHTGLが低下していることを示し.以上からHCV感染患者でHTGLの発現を回復させることでHCVの肝細胞への再感染が予防できる可能性を示しこれを論文にまとめた.さらに感染や,脂質代謝にも影響を及ぼすとされる細胞内のAutophagyといった現象が報告されているが,これとHCVの関与を検討した. 感染症ではAutophagyは異物排除に寄与しているとされるが,HCVのようなRNAウイルスはむしろAutophagyを増殖の場としていることが報告されており,HCVでも同様であることを明らかにした.研究の中で, Autophagyの抑制剤によりHCVの増殖をコントロールできることを示し,これを論文にまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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