2012 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスのB細胞感染・吸着が惹起する病原性発現機構の解析
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22590745
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 敬義 昭和大学, 医学部, 講師 (50317517)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | HCV / B細胞異常活性化 / ナイーブB細胞 / Clonality / IFN抵抗性 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎(CH-C)患者における肝外病変で、リンパ増殖性疾患(LPD)や自己免疫異常はB細胞異常に起因する。CH-C患者のB細胞にはHCV RNAが高頻度に検出され、このB細胞中HCV陽性がLPD関連マーカー異常やIFN治療抵抗性に関連する。B細胞異常の発症機序として、HCV感染・吸着による異常活性化が成因と示唆され、我々はB細胞subtype別のHCV感染・吸着状態を解析し、ナイーブB細胞(NB)の段階でHCVが感染・吸着し、他のsubtypeよりHCV陽性頻度、HCV RNA量が高いことを明らかとした。更にCH-C患者のNBを対象に、B細胞単一クローン増殖(Clonality)の有無、B細胞異常活性化及びIFN誘導遺伝子(ISG)の発現解析をNBと非ナイーブB細胞(NNB)で行った。更にB細胞活性化に関連する遺伝子群CD69、71、80、86、B細胞リンパ腫に高発現するAID、CXCR3、ISGであるOAS1、OAS2、MX1、ISGF3、IFITMの発現を解析した。Clonality解析ではNBには、患者、健常人ともに検出されなかった。NNBには、CH-C患者にのみIgM、IgG Clonalityを確認した。遺伝子発現ではCH-C患者のNBでCD86、CXCR3が高発現を示した。更に、CH-C患者のNBでMX1高発現を認た。更にCD86とCXCR3高値患者をB細胞異常活性化群とし、非異常活性化群と比較すると、異常活性化群でMX1、IFITM、IFGF3が高値、またClonality検出頻度も高かった。CH-C患者のNBはHCV感染・吸着が高頻度で、NB自体にClonalityが検出されないことから、NBの非特異的異常活性化を惹起していると推察された。また異常活性化NBのISG高発現は肝細胞と同様、自然免疫系シグナル伝達の機能不全に関連する可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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