2011 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁うっ滞治療薬開発を目的とした胆汁分泌機構の包括的解析
Project/Area Number |
22590746
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加川 建弘 東海大学, 医学部, 准教授 (30245469)
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Keywords | 胆汁酸 / トランスポーター / 胆汁うっ滞 / 膜タンパク |
Research Abstract |
1.利胆作用を有する薬剤のハイスループットスクリーニング Bsepを恒常的に発現するMCKII細胞を用いて、Bsepを活性する薬剤を生理活性物質ライブラリーから見いだすためのスクリーニングをおこなった。現在までのところ、Bsep活性を軽度(1.3倍)上昇させる一つの化合物を見いだした。本化合物はNtcp活性には影響を与えず、Bsepのみ活性化することが明らかとなった。 2.胆汁分泌トランスポーターのクラスター分子の同定 現在までのところ、Bsepと結合するクラスター分子は同定できていない。同定できない原因としてBsepに対する抗体の親和性が低い可能性があり、この問題を解決するため、Bsep蛋白にFlag tag,HA tagを付加したBsep蛋白を恒常的に発現するMDCKII細胞を樹立した。現在、本細胞と抗Flag抗体、抗HA抗体を用いて、実験を行っている。 3.UDCAの作用機序解析 UDCAは細胞膜上のBsepをendocytosis-degradation pathwayから回避させ、細胞膜上のBsepを安定化させることにより、胆汁酸輸送活性を増強していることを平成22年に明らかにした。本年度はその作用機序について検討した。UDCAの作用はrecycling inhibitorであるmonensinやmicrotubule inhibitorであるnocodazoleで阻害されるが、PKAやPKCのinhibitorでは阻害されないことが判明した。このことより、UDCAのBsep活性化はmicrotubule-dependentであることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胆汁分泌トランスポーターのクラスター分子の同定ができていない。その理由として抗体の親和性が低い可能性があり、現在、新たなシステムを構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
利胆作用を有する薬剤のハイスループットスクリーニングは順調に進行中であり、本年度も種々の化合物のスクリーニングを遂行していく予定である。 UDCAの作用機序解析の順調に進行しており、さらなる解析を行っていく。 胆汁分泌トランスポーターのクラスター分子の同定については実験システムの変更をしており、それを用いて実験を遂行していく予定である。
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