2012 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎の鉄過剰が誘導するミトコンドリア障害とウイルス排除機構の解析
Project/Area Number |
22590750
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
是永 匡紹 国立国際医療研究センター, 肝炎免疫研究センター, 室長 (70420536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是永 圭子 国府台病院, 消化器・肝臓内科, 医師 (60420535)
日野 啓輔 川崎医科大学, 肝胆膵内科学, 教授 (80228741)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | C型慢性肝炎 / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 鉄過剰状態 / IFN / Hepcidin / PolyIC / Hepcidin |
Research Abstract |
HCVの全長遺伝子を発現するtransgenic mouse(TgM)では、酸化ストレス亢進を誘導し、hepcidin発現低下により肝内鉄過剰を形成し、更なる鉄負荷によって肝発癌が促進する。一方、in vitroでは、HCVと鉄負荷が誘導する酸化ストレスによりHCV活性が抑制されることも明らかにした。酸化ストレスがhepcidin発現、抗ウイルス効果に及ぼす影響を再検討するため、以下の検討を行った。HCVTgMにcontrol食、鉄負荷食、鉄負荷食/抗酸化剤(Vitamin E, CoenzymeQ10)投与を半年間行い、血清よりLC-MS/MS法にてHepcidin測定とBio-Plexにてサイトカインを網羅的に測定した。また、control食と鉄負荷食ではTLR3のリガンドであるpoly-IC(5mg/kg)投与し、2時間後に血清を採取しhepcidin,サイトカイン及びIFNβ産生能を測定した。鉄負荷HCVTgMではcontrol食と比較し、IFNβ産生能は、PolyIC投与前後とも測定感度未満であったが、抗酸化剤投与では著明な産生亢進を認めた。IFNβ産生能が抗酸化剤投与にて上昇することより、過剰鉄がIFN signalに影響を及ぼす可能性があると考えられた。同様に鉄負荷HCVTgMにIFN投与を行ったところ、肝内鉄濃度は低下し、hepcidinが上昇し、肝内の酸化ストレスマーカーを改善させたため、IFN少量長期投与されたC型慢性肝疾患に対し、経時的にhepcidinや酸化ストレスマーカーであるdROM,BAPの測定を行った、投与開始3,6ヶ月でフェリチンは上昇傾向であったが、1年目にフェリチンは投与前値に改善し、hepcidinは上昇し、ウイルスの減少なしに鉄代謝は改善することが明らかになった。更にBAP/dROM比(酸化ストレスに対する抗酸化能)も上昇し、IFN長期投与は酸化ストレスや鉄代謝能を改善させることで、肝発癌を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)