2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵がん自然発症マウスによる「骨髄撹乱」を介した悪性化機構の解明とその制御
Project/Area Number |
22590754
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30400089)
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Keywords | 膵臓 / 骨髄 / 遺伝子改変マウスモデル |
Research Abstract |
膵特異的Pdx1プロモーター制御下に変異型Kras(Kras^<G12D>)およびp53欠失をマウス膵において誘導し(Cre-loxPシステム)、ヒトの膵癌前駆病変(pancreatic intraductal neoplasm;PanINや浸潤癌に極めて類似した膵腫瘍性病変を得ることができる。このモデルを用いて、発癌から浸潤に至るがん進展のキーポイントでみられる骨髄を介した膵癌間質の構築過程の再現を試みた。 Pdx1-Cre;LSL-Kras^<G12D> strainより膵癌前駆病変PanIN、Pdx1-Cre;LSL-Kras^<G12D>;p53^<lox/+> strainより浸潤性膵管癌を形成する個体を得て、これらの骨髄Lin-分画、および膵原発巣よりEpCAM+分画からなる異形腺管単位をtumor sphereとして回収し、それぞれの遺伝子発現を定量的に解析した。 まず、骨髄より癌間質へ供給される前駆細胞群を含むLin-細胞において、健常個体に比較してPanINや膵癌を有する個体ではmorphogen関連経路の遺伝子群の発現に上昇がみられた。これらの間質前駆細胞群が、癌微小環境内で活性化される機構を明らかにするために、tumor sphere側の解析を進めており、前駆病変が浸潤癌に至る過程で異形上皮みられるタンパク発現の変化が、骨髄由来の癌間質構成要素における先のmorphogen関連経路の完全活性化に貢献することを明らかにした(投稿準備中)。
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Research Products
(29 results)