2012 Fiscal Year Annual Research Report
癌選択的増殖型アデノウイルスを用いた胆道癌の遺伝子化学療法の有効性と安全性の評価
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22590755
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安部井 誠人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20261802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 洋文 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00189614)
福田 邦明 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50447257)
兵頭 一之介 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60416469)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 腫瘍融解ウイルス / アデノウイルス / 5-fluorouracil / UPRT / サイクロフォスファマイド / 遺伝子化学療法 |
Research Abstract |
癌細胞選択的に増殖し癌を融解するE1変異アデノウイルスは,欧米の臨床試験での画期的有効性が注目され,中国では世界初の遺伝子治療薬として承認された。研究代表者らは,抗癌剤5-FUの効果を増強するUPRT遺伝子を搭載したE1変異アデノウイルスの担癌ヌードマウスでの実験的有効性を明らかにしたが,ヌードマウスはアデノウイルスの感染宿主ではなく,また免疫適格でないため,有効性と安全性の評価は不十分であった。本研究では,本ウイルスを用いた遺伝子化学療法の臨床応用を視野に入れ,アデノウイルスの感染宿主かつ免疫適格なシリアンハムスターの胆嚢癌(KIGB-5),膵癌(HaP-T1)の同種担癌モデルを用い,UPRT遺伝子搭載E1変異アデノウイルスの有効性と安全性を検証し,さらに免疫抑制剤cyclophosphamide(CP)の併用効果も検証することを目的とした。平成22,23年度は,UPRT搭載E1変異アデノウイルスが,in vitroでKIGB-5,HaP-T1癌細胞内で良好に増殖,UPRTを発現し5-FU感受性を著明に増強すること,また本ウイルスがin vivoでもHaP-T1癌細胞の同種皮下移植モデルにおいて癌の5-FU感受性を増強し抗腫瘍効果を増強する一方,安全性に問題がないことが判明した。平成24年度は,さらに免疫抑制剤cyclophosphamide(CP)の併用が,本ウイルスを用いた遺伝子化学療法の効果を増強するか否かを検討した。その結果,高容量と中等量(臨床容量)のCP併用は,血清抗アデノウイルス中和抗体の産生を抑制し,本ウイルスの腫瘍内での増殖とUPRT遺伝子発現を高め,5-FUの効果をさらに増強することが明らかとなった。以上,本研究により,UPRT遺伝子搭載E1変異アデノウイルスを用いた遺伝子化学療法,さらにCPとの併用療法の実験的有効性と安全性が初めて明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)