2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590756
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹平 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (30401102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 恒雄 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80396712)
伊地知 秀明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70463841)
多田 稔 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80302719)
浅岡 良成 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90431858)
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Keywords | 胆道学、膵臓学 / 膵癌 |
Research Abstract |
膵上皮細胞特異的にPtenとTgfbr2のノックアウトマウスを作成するため、Ptflacre/+;Ptenflox/+Tgfbr2flox/floxとPtenflox/flox;Tgfbr2flox/floxとの交配を行い、Ptflacre/+;Ptenflox/flox;Tgfbr2flox/floxを作成している。 また、膵上皮細胞特異的にPtenをノックアウトし、Krasの活性化変異を導入するため、Ptflacre/+;Ptenflox/floxとLSL-KrasG12D/+;Ptenflox/floxとの交配を行い、Ptflacre/+;LSL-KrasG12D/+;Ptenflox/floxを作成し、解析中である。一方で、以前よりわれわれのグループが解析をすすめているKrasG12D、Tgfbr2ノックアウトによる膵発癌モデルの解析が行われ、癌細胞と癌をとりまく微小環境の形成にいくつかの種類のケモカインが重要な働きが示された(Ijichi et al.JCI,2011)。さらにこの発癌モデルの癌部に関してアポトーシスの解析を行ったところ、癌細胞よりも近接する免疫担当細胞のアポトーシスが目立つことが判明した。このことは、抗腫瘍免疫反応が生じていることを示唆している。すでにこの系では以上記載したような、特徴的な表現型を得ている。しかし、これが膵癌に特徴的なものか、TGF-betaシグナルに異常をきたした癌に特有のものなのかの結論は得られていない。現在、このような観点から、Ptenノックアウトマウスとの比較を行う段階になっており、シグナルの違いによる表現型およびこれらの阻害剤の反応性が異なってくることが予想される。このことは、臨床的にも分子標的療法の新たな分子マーカーの発見に役立つものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コストの低減および殺処分が必要なマウスを減らすため、交配を最小限で効率よく行おうとした結果、期待するgenotypeのマウスの作成が滞った。しかし、本年度の交配の結果、高率に発癌マウスを得られるgenotypeを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
11.で記した状況のため、ダブルノックアウトマウスを効率よく得るのは困難であることが判明した。加えて、PtenおよびSmad4のノックアウトマウスによる膵発癌モデルが他グループより報告された。この結果をうけて、H24年度は、KrasG12D+Ptenノックアウトマウスの作成に集中し、われわれのグループで様々な解析が終了しているKrasG12D+Tgfbr2ノックアウトマウスとの比較を中心に行い、TGF-betaシグナルとPI3K-PTENシグナルの膵発癌における役割の相違を解析していく。
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Research Products
(1 results)