2011 Fiscal Year Annual Research Report
心臓再同期療法適応診断におけるスペックルトラッキング法の有用性評価に関する試験
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22590768
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
瀬尾 由広 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40375499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 智子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10507859)
青沼 和隆 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10375488)
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Keywords | 心臓再同期療法 / 心臓超音波法 / 心不全 |
Research Abstract |
本研究は、心臓再同期療法の適応決定において、新たな心エコー技術であるスペックルトラッキング法が有効か否かを検証する前向き多施設協同研究として遂行されている。症例登録開始から2年が経過する2011年8月を持って症例登録を終了した。目標登録症例数200例に対して、全国17施設から合計187例の登録を頂いた。2011年2月28日において登録後6ヶ月での臨床評価および心エコー図検査を終了できた169例を対象として、スペックルトラッキング法で計測した心臓非同期指標の心臓再同期治療(CRT)のレスポンダーを予測する有用性について検討を行った。その結果は2012年3月に行われた日本循環器学会学術集会において、late breaking clinical trialセッションで発表する機会を得た。CRT後左室容量が15%以上減少し、CRTレスポンダーと診断されたのは169症例中99例(58.5%)であった。CRTレスポンダーの予測因子では、術前の左脚ブロックの存在、利尿薬の使用、およびスペックルトラッキング法で計測した左室非同期指標が独立した予測因子であった。スペックルトラッキング法の指標では円周方向ストレイン値による指標が最も有用である事も明らかとなった。また、症状をNYHA classの改善で評価し、NYHA class 1以上の改善をレスポンダーの指標とした場合にも、スペックルトラッキング法で計測した左室非同期指標が独立した予測因子であった。このように、本研究は心エコー図指標がCRTレスポンダー予測可能な指標である事を、はじめて多施設共同研究において有用である事を明らかにする事が出来た。また、新たな心エコー法であるスペックルトラッキング法が唯一有効な方法であることも明らかにする事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定症例数の登録、およびその解析が予定通り終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、心臓再同期療法後の心不全の再増悪、心臓死といった予後との関連を追跡中である。平成24年度内に、予後との関連を含めた結果を解析し、速やかに学会で報告し、論文発表する予定である。
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Research Products
(1 results)