2010 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチン・コーティングステントの開発とその血管内治療における有効性の検証
Project/Area Number |
22590772
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
八木 邦公 金沢大学, 附属病院, 助教 (30293343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 美幸 金沢大学, 附属病院, 医員 (80514603)
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
松田 武久 金沢工業大学, ゲノム生物工学研究所, 教授 (60142189)
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Keywords | アディポネクチン / 冠動脈ステント / 再狭窄 / 血管内皮障害 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した今年度の実施計画内容は以下で、現在基礎検討技術の安定を図りつつ検討を行っている。1)アディポネクチン化学固定の実施:アディポネクチン蛋白の金属及びガラス片表面での固定については、金沢工業大学教授松田武久先生の教室に伺い施工中。本来松田研ではVEGFの化学固定に特化した機器の設定になっており、今回対象とするアディポネクチンを表面にムラなく均一に塗布するためにプログラムの調整等が必要とされ、作成しながら条件調整を進めている。現在施行しているのは試薬メーカーより購入した高純度の単量体アディポネクチンであるが、本研究においては少なくとも最終年度までに遺伝子合成し純度が高いとは言えない高分子型アディポネクチンを化学固定する事を目標としており、その作成を視野に入れた条件検討も平行して行っている。2)作成した化学固定表面への細胞接着の検討:現在までに検討しでいる細胞は2種類。ヒト臍帯静脈由来内皮細胞(HUVEC)およびVolunteerの末梢血より分離した単核球である。比較対象としては松田研でルーチンに作成されているVEGF化学固定表面で、細胞の接着、伸展、増殖、剥離を電子顕微鏡的に検討している。現時点までに得られている知見は以下である。1.付着:アディポネクチン化学固定表面にHUVECは接着する。VEGF固定表面と時間経過で付着面積を検討すると同程度と考えられる。2.伸展-伸展-増殖:48-72時間での細胞の伸展は再現性を持って観察され、剥離/脱落はほとんど認められない。ただし増殖についてはVEGFには劣る。3.単核球については有意な付着は観察されない。 以上の結果よりステント表面素材としてのアディポネクチンの有用性が確認された。
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