2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤溶出性ステントによる気絶または冬眠心筋の機能回復に対する阻害作用に関する研究
Project/Area Number |
22590773
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
尾畑 純栄 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (60362076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木山 清貴 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (00225129)
渡辺 一広 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (50535549)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬剤溶出性ステント / 内皮機能障害 |
Research Abstract |
薬剤溶出性ステントは再狭窄抑制効果が示された一方、遅発性ステント血栓症、冠攣縮やlate catch up現象と呼ばれる遅発性ステント再狭窄など、当初予想されていなかった有害事象も次第に明らかとなってきた。薬剤溶出性ステント留置後の冠動脈への影響を詳細に検討することで、副次的作用を予防する新しい治療法などの開発につなげることが本研究の目的である。梗塞責任冠動脈の冠動脈内皮機能障害の回復過程にシロリムス溶出ステントが悪影響を及ぼすこと、冠動脈内皮機能障害が遷延する症例では慢性期の左心室収縮能の回復が悪いことはすでに報告している。本研究の対象患者のソースとなっている山梨PCIレジストリーに登録された多くの症例の中から、平成24年度は血管内皮機能障害と各対象症例における臨床イベントとの関連を調べた。2型糖尿病を伴った急性冠症候群では、発症後早期からのアカルボース介入により、1か月後には頸動脈の不安定プラークの安定化を認めた。安定狭心症でスタチン治療中にもかかわらず高レムナントコレステロール血症が残存している症例においては、スタチンを増量するよりもエゼチミブを追加投与した方が有意にレムナントコレステロールが低下し、上腕動脈の血流依存性血管拡張反応で血管内皮機能の改善を認めた。冠動脈疾患患者においては、上腕動脈の血流依存性血管拡張反応と頸動脈プラークのエコー輝度を両方評価した方が、それぞれ単独で評価するよりも将来の冠動脈および脳血管イベントの予測に優れていることが分かった。冠動脈疾患患者の頸動脈プラーク内の新生血管を、マイクロバブルを用いた頸動脈エコーで評価したところ、新生血管の程度と冠動脈疾患の重症度に相関を認めた。また、6か月間のスタチン治療は頸動脈プラークの新生血管の退縮をもたらすことも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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