2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病心におけるレニン-アンジオテンシン系の細胞内直接作用についての研究
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22590776
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早乙女 雅夫 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70509512)
漆田 毅 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20334980)
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80314029)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
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Keywords | レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 / 灌流心 / 糖尿病 / 虚血/再灌流 / レニン阻害薬 |
Research Abstract |
正常及び糖尿病ラットの灌流心における虚血障害と虚血領域のレニン、プロレニン受容体量の検討 【方法】Wistar rat (non-DM)及びGoto-Kakizaki rat (DM)より心臓を摘出し、Langendorff装置に装着して灌流する。250/分で電気刺激し左室発生圧と左室拡張終期圧を測定する。組織中のrenin、angiotensin II、prorenin、prorenin受容体は、免疫染色、Western blottingにて測定する。虚血は、摘出心の灌流を90分間完全に停止させる。【結果】Non-DM群に比し、DM群で虚血後の左室拡張終期圧の上昇および左室発生圧の低下は軽度であった。また、non-DM群において虚血領域のreninの増加が大きく、prorenin受容体の増加は軽度であった。以上より、糖尿病における虚血耐性にreninが関与する可能性が示唆された。今後、虚血/再灌流モデルでのnon-DM,DM群の差、aliskiren、candesartan, spironolactoneの効果を検討する予定である。 冠動脈病変を有する糖尿病症例における直接的renin阻害薬の脂質代謝およびサイトカインへの効果 【方法】外来通院中の安定した糖尿病を有する冠動脈疾患症例30例を対象とする。患者は全てangiotensin II受容体拮抗薬(ARB)を服用しておりrenin阻害薬のaliskiren(150mg/日)の血圧、脂質、サイトカインに対する上乗せ効果を検討する。【結果】血漿renin活性は低下し、収縮期、拡張期血圧がともに有意に低下したが、心拍数は変化しなかった。LDL-c,HDL-c,TG,MDA-LDLコレステロール,Apo蛋白など脂質に変化になかった。また、adiponectine, hsCRP, MCP-1, p-selectinなどサイトカインにも変化はなかった。今後は、症例を増加し、ARBからaliskirenへの変更による効果も検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究において、Langendorff灌流装置を用いた研究で心機能評価は行えている。また、免疫染色、western blottingによる評価も行えている。臨床研究では、血圧、心拍数の変化、脂質、サイトカインの変化につき評価を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究では、虚血/再灌流モデルで同様の実験を行うこと、renin阻害薬の効果を試みることが必要で、現在の実験装置でさらなる検討を進めていく。臨床研究では、aliskirenのARBからの切り替えの効果の検討、および心、血管事故の有無など予後調査を進めていく。
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Research Products
(2 results)