2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590778
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
因田 恭也 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10359747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
内川 智浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90437012)
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Keywords | 心不全 / ペースメーカー / 心臓再同期療法 / 心エコー |
Research Abstract |
重症心不全患者に対する心臓再同期療法は生命予後を改善する効果ある治療法であるが、この治療に反応しない症例が多く存在し、また治療機器が高価であることより、医療経済的にもこの治療に効果ある症例を効率よく選別できる基準が必要である。我々は心臓再同期療法を行った患者の術前心エコー解析を行い、我々の考案した新しい指標i-Indexにより、この治療の効果を予測することができることを証明し、平成22年5月Heart Rhythm誌に報告した。i-Indexは心臓再同期療法のレスポンダーを感度92%、特異度84%で予測した。さらにこの指標が大きいほど同治療の効果が大きくなることも証明した。この指標を用いることにより、心臓再同期療法に反応しない多くの患者をあらかじめ予測できるため、臨床上あるいは医療経済的にも同治療の適応を判断する有用な指標が得られたことになる。さらに本結果の有用性および普遍性を確証するために、多施設前向き共同研究(MEIDEX研究)を立ち上げ、平成23年2月末現在までに20施設から96症例の心臓再同期療法施行患者登録がなされている。現在も登録期間中であり、今後さらに症例数を増やすとともに、経過観察、心エコー評価、i-Index計測などを行い、心機能改善や不整脈発生などとの関わりなどの解析が待たれるところである。また、新たに心エコー解析ソフトを購入し、i-Index計算がよりスムーズに行えるよう考案中である。このように、我々の開発した心臓壁運動のずれと収縮性を加味した新しい指標i-Indexは、心臓再同期療法お行うための有力な適応判断材料となることが証明されつつある。
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