2011 Fiscal Year Annual Research Report
無症候性肺動脈性肺高血圧症の進展予測と早期治療効果に関する検討
Project/Area Number |
22590781
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山田 典一 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60303731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正明 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00223181)
中村 真潮 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40293774)
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Keywords | 循環器 / 肺高血圧症 / 運動負荷 / 薬物治療 / 早期介入 |
Research Abstract |
研究目的は無症候性肺動脈性肺高血圧症に対する早期治療介入効果と運動負荷試験による肺動脈圧上昇が肺高血圧症進展の予測法として有用であるかを明らかにすることである。心臓超音波検査を用いたスクリーニング検査にて三尖弁逆流速度から推定した収縮期肺動脈圧より肺高血圧症が疑われた膠原病患者16例に対して右心カテーテル検査を施行し、安静時平均肺動脈圧25mmHg未満であるが運動負荷にて30mmHg以上に上昇した14例(平均年齢62.6±11.1歳、女性13例)を対象とした。治療開始前安静時と運動負荷ピーク時の平均肺動脈圧(mmHg)は15.4±4.4から37.9±8.3(p<0.05)、全肺血管抵抗(dyne・sec・cm^<-5>)は255.1±74.1から357.0±167.0(p<0.05)といずれも有意に増加したのに対して、体血管抵抗(dyne・sec・cm^<-5>)は運動負荷により1587.0±417.7から1244.6±469.2へと有意に低下しており(p<0.05)、安静時肺高血圧を呈する以前の早期から肺血管内皮障害に伴う一酸化窒素(NO)に対する異常な反応性が示された。今後、さらに症例数を増やし、次回の報告時には治療介入群(ボセンタンあるいはシルデナフィル)と非介入群間での1年後の安静時と運動負荷時の各血行動態指標の違いについてのデータ解析を行い、境界領域の肺高血圧を含む無症候性肺動脈性肺高血圧症に対する早期薬物治療介入が病態進行を抑制しうるかどうかを検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の対象となる膠原病患者さんを紹介いただいていた膠原病内科の先生が遠方に開業されたため、対象患者のエントリーが滞り、目標症例数への到達が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象症例数を確保するために、膠原病内科の後任の先生やその他の膠原病患者さんを診療している先生方へリスク症例をご紹介いただけるように今後働きかけを行って連携を図る。また、経過のフォロー対象例の脱落例を発生させないように患者さんにも働き掛ける努力を継続して行っていく予定である。
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