2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22590783
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川合 宏哉 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20346266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杜 隆嗣 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50379418)
石田 達郎 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (00379413)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 心不全 / 脂肪酸 / HDL / リパーゼ / エネルギー / 心筋 / リポ蛋白 / 炎症 |
Research Abstract |
1.新生児ラット培養心筋細胞に対して血清除去や過酸化水素によって細胞死が誘導されたが、この系に高比重リポ蛋白(HDL)を添加することにより細胞死が抑制された。また、培養心筋細胞をリポポリサッカライドで刺激すると、炎症性サイトカインであるTNFαが誘導されたが、この系にHDLを添加することによりTNFαの誘導が抑制された。以上のことから、HDLは心筋保護効果を有し、飢餓、酸化ストレス、炎症などによる心筋傷害を抑制することが明らかとなった。 2.血管内皮リパーゼ(EL)は血清HDLの代謝酵素であると同時に、HDLに含まれるリン脂質を分解して脂肪酸を産生する。EL欠損マウスは高HDL血症を示すことから、野生型およびEL欠損マウスを用いて、大動脈縮窄による圧負荷心不全におけるEL欠損と高HDLの影響を検討した。圧負荷心不全を作製した野生型マウスでは、心臓におけるELの発現量は圧負荷を加えていない心臓と比べて著明に増加した。対照的に、リポ蛋白リパーゼ(LPL)発現量は、術後1日目には約50%減少していた。EL欠損マウスでは野生型マウスと比較して有意に左室拡張末期径が増加し、駆出率は低下していた。また、心重量は両群とも同等に増加していたが、肺重量はEL欠損マウスにおいてのみ有意に増加していた。EL欠損マウスでは野生型マウスよりも術後に有意に心不全マーカーが高値を示した。このことは、圧負荷による心肥大の程度は同等であったものの、EL欠損マウスではより顕著な肺うっ血と心不全をきたしたことを示唆している。培養心筋細胞にELを過剰発現すると、脂肪酸エネルギー系が活性化され、ATP産生が増加した。以上より、ELはHDLを基質として心臓に脂肪酸を供給するための副経路として働いており、圧負荷心不全の病態を制御していることが証明された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|